錫
しゃく
名詞頻度ランク #24434 · 青空 408 例
標準
bishop's staff
文例 · 用例
大井川の水|涸れ/\にして蛇籠に草離々たる、越すに越されざりし「朝貌日記」何とかの段は更なり、雲助とかの肩によって渡る御侍、磧に錫杖立てて歌よむ行脚など廻り燈籠のように眼前に浮ぶ心地せらる。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
今朝はすべてが領事館旗のもとに従順で、私は錫と広場と天鼓のほかのなんにも知らない。
— 中原中也 『山羊の歌』 青空文庫
厚い錫の茶碗の中に、汲み立ての冷水を盛つて飮むのである。
— 萩原朔太郎 『ラムネ・他四編』 青空文庫
そしてこれは今朝あけ方の菓子の錫紙。
— 宮沢賢治 『柳沢』 青空文庫
彼は銀の鼎と言ふ…… 組込の三|脚に乗る錫の鑵に、結晶した酒精の詰まつたのが添つて、此は普通汽車中で湯を沸かす器である。
— 泉鏡太郎 『銀鼎』 青空文庫
勝軍地蔵は日本製の地蔵で、身に甲冑を着け、軍馬に跨って、そして錫杖と宝珠とを持ち、後光輪を戴いているものである。
— 幸田露伴 『魔法修行者』 青空文庫
測量部員が真に人跡未到と思われる深山を歩いていたらさび朽ちた一本の錫杖を見つけたという話もあるそうである。
— 寺田寅彦 『地図をながめて』 青空文庫
その秋風の昏倒の中で私は私の錫いろの影法師にずいぶん馬鹿ていねいな別れの挨拶をやっていました。
— 宮沢賢治 『インドラ[※1]の網』 青空文庫