塵界
じんかい
名詞
標準
this drab world
文例 · 用例
清閑の池亭の中、仏前|唱名の間々に、筆を執って仏|菩薩の引接を承けた善男善女の往迹を物しずかに記した保胤の旦暮は、如何に塵界を超脱した清浄三昧のものであったろうか。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
むかし呂洞賓という仙人は、仙道成就しても天に昇ったきりにならずに、何時迄も此世に化現遊戯して塵界の男女貴賎を点化したということで、唐から宋へかけて処処方方に詩歌だの事跡だのを遺して居り、宋の人の間には其信仰が普遍で、既に蘇東坡の文にさえ用いられているし、今でも法を修して喚べば出て来ると思われている。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
其二 早暁臥床を出でゝ、心は寤寐の間に醒め、意ひは意無意の際にある時、一鳥の弄声を聴けば、忽として我れ天涯に遊び、忽として我塵界に落るの感あり。
— 北村透谷 『山庵雑記』 青空文庫
法皇様はいっさい塵界と交渉を絶っておいでになる御生活ぶりですから、御相談事などは申し上げられないでしょう。
— 夕霧二 『源氏物語』 青空文庫
またこれを養うに遠方にゆき塵界を去らねばならぬものでない。
— 新渡戸稲造 『自警録』 青空文庫
われわれは山へ引っ込むもよい、塵界を去るもよいが、それが理想を養う必要条件では断じてない。
— 新渡戸稲造 『自警録』 青空文庫
人為では、とてもそんな真似は覚束ない、平生名利の巷に咆哮している時は、かかる念慮は起らない、が一朝|塵界を脱して一万尺以上もある天上に来ると、吾人の精神状態は従って変ると見える。
— 鵜殿正雄 『穂高岳槍ヶ岳縦走記』 青空文庫
俗念を放棄して、しばらくでも塵界を離れた心持ちになれる詩である。
— 夏目漱石 『草枕』 青空文庫
作例 · 標準
仏道修行者は、「塵界」(この世)の苦しみから逃れることを目指す。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
彼は、「塵界」(俗世)の騒がしさに嫌気がさし、隠遁した。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
「塵界」(この世)の束縛から解放されたいと願う。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite