狂風
きょうふう
名詞
標準
raging wind
文例 · 用例
小さな不連続線が東京へかかったと見えて、狂風が広小路を吹き通して紳士の帽を飛ばし淑女の裾を払う。
— 寺田寅彦 『猫の穴掘り』 青空文庫
ある日曜日の朝顕著な不連続線が東京附近を通過していると見えて、生温かい狂風が軒を揺がし、大粒の雨が断続して物凄い天候であった。
— 寺田寅彦 『マーカス・ショーとレビュー式教育』 青空文庫
二階の窓から狂風に吹き飛ぶ雲を眺めながら考えるともなく二十年前に見たベルリンのメトロポール座のレビューを想い出していた。
— 寺田寅彦 『マーカス・ショーとレビュー式教育』 青空文庫
しかし、降雹がなくとも、狂風にあおられた街頭の雑品が飛んで来てぶつかれば結果は同様である。
— 寺田寅彦 『銀座アルプス』 青空文庫
この狂風が自分で自分の勢力を消し尽くした後に自然になぎ和らいで、人世を住みよくする駘蕩の春風に変わる日の来るのを待つよりほかはないであろう。
— 寺田寅彦 『ジャーナリズム雑感』 青空文庫
円形運動ではレコードや、ダイアルの回転があるほかに、新工場開場式のクライマックスに吹き起こる狂風の複雑な旋転的乱舞がやはり全編の運動のクライマックスを成しているのである。
— 寺田寅彦 『映画雑感(1)』 青空文庫
クライマックスの狂風の場面の物をかきむしるような伴奏もはなはだ特異なもので画面の効果を十二分に強調する効果がある。
— 寺田寅彦 『映画雑感(1)』 青空文庫
空には断雲の飛ぶ事矢のごとく、船は今想像もできぬほどの速力をもって、狂風に吹かれ怒濤を浴びつつ走りいるなり、されど余の驚きしはその事にあらず、見よ!
— 押川春浪 『南極の怪事』 青空文庫