京風
きょうふう
名詞名詞-の形容詞
標準
Kyoto style
文例 · 用例
だけどあまり東京風を吹かさずに、三四カ月もおとなしく働いていれば、きっと誰か面倒見てくれる人が見つかるのよ。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
お揃ひで社寺へお詣りなさる事も度々ございましたし、またお花見や、お月見、また船遊びなどには、いつも御台所さまをお誘ひになり、殊にも和歌会や絵合せの折には、御台所さまは、それこそ、なくてかなはぬお方で、将軍家に京風の粋をお教へ申し上げるお優しい御指南役のやうにさへ見受けられました。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
派手な京風ばかりを真似るゆゑ、都所別当が御適任といふ御自身をおからかひの意味でおつしやつたのかも知れませぬが、私たちの日常拝しましたところでは、決してそんな事だけではなく、別のもつと厳粛な意味に於いても、その都所別当が首肯できる気持でございました。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
看板の東京風とか江戸自慢とかいふ形容詞がいかにも田舍臭くて不愉快である。
— 木下杢太郎 『京阪聞見録』 青空文庫
匆々牧野生 瀬川村長 机下六(エハガキ――新東京風景に添へて。
— 牧野信一 『初夏通信』 青空文庫
ガラス製の立派な箱が十五、六、その広い鋪に並べてあって、その中には、外国人がクリスマスに食べるようなパイや、その他種々な生菓子が並べてあると、一方の棚の中には、栗饅頭や、金つばや、鹿の子などという東京風の蒸し菓子が陳列してあった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
樹木、空、花、屋、崖、等々あらゆる取材はこの死者を取扱ふ医師のやうなあまりに切れすぎる執刀に泣いてゐたらう、だが最近の進展はどうか一番『南京風景』の豊な詩情に到達し十三番の『蘇洲風景』に進展し更に『南京奏准の妓館』の新しい計画『少女戯曲』の看過出来難い企てに遭遇して奇異の感にうたれるのである。
— 美術論・画論 『小熊秀雄全集−19−』 青空文庫
小熊秀雄全集-11詩集(10 )風物詩篇小熊秀雄東京風物伝東京駅東京駅はウハバミの燃える舌で市民の生活を呑吐する玄関口、朝は遅刻を怖れて階段を一足とび夕は疲れて生気なく沈黙の省電に乗る所詮、悪蛇の毒気に触れて人々の痲痺は不感症なり。
— 詩集(10 )風物詩篇 『小熊秀雄全集-11』 青空文庫