急峻
きゅうしゅん
形容動詞名詞
標準
steep
文例 · 用例
急峻な登りを行く、雲は赤石山を包み隠して、西南にその連嶺の西河内岳の一角を現わした、さすがに富士山のみは、深くまつわる山を踏み踰えて、ひとり高く半天に立っている。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
頂点は風力が強くて、雪を飛散させるためと、傾斜急峻で雪の維持力に乏しいためとで、かえって雪は少量または稀有である。
— 小島烏水 『高山の雪』 青空文庫
富士山は日本では三千七百七十八米突という抜群の標高を有しているが、太平洋方面は黒潮が流れるほどの暖かさで、かつ冬季は霽れて雨量が少なく、山腹以上の傾斜が急峻であるから、これも氷河を作る資格がない。
— 小島烏水 『高山の雪』 青空文庫
この中で、我が奥常念は一と際高い、殊に蝶ヶ岳に向って低く下っているところは、波の如き山を躍らすこと七、八峰、峰は皆磐石を畳んだもので、石は皆裂け、偃松と、岩ぶすまという地衣が布いているばかり、この方面から常念を望むと、前の婉容はなくなって、見上げるように急峻に尖っている。
— 小島烏水 『奥常念岳の絶巓に立つ記』 青空文庫
山の南側は、太古の大地変の痕跡を示して、山骨を露出し、急峻な姿をしているのであるが、大垣から見れば、それほど突兀たる姿をしていないだろうという事は、たとえば陸地測量部の五万分一の地形図を見ても、判断する事ができる。
— 寺田寅彦 『伊吹山の句について』 青空文庫
風をなみ友よぶ牛の聲遠く稀に聞ゆるしぶのやまごえ 之を久うして忽ちに路を急峻なる山腹に向ひて走る。
— 長塚節 『草津行』 青空文庫
愛鷹山は謂はゞ富士の裾野の一部にによつきりと隆起した瘤の樣なもので、山の六七合目から上は急峻な山嶽の形をなしてゐるが、それより下は一帶の富士の裾野と同じく極めてなだらかな、そして極めて細かな襞の多い、輕い傾斜の野原となつてゐるのである。
— 四邊の山より富士を仰ぐ記 『樹木とその葉』 青空文庫
峠は頗る急峻で、羊膓たる坂路は丁度襖の模樣の稻妻形に曲折して居る。
— 長塚節 『痍のあと』 青空文庫
作例 · 標準
その山道はあまりにも急峻で、経験者でないと登るのは危険だ。
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崖の急峻な斜面は、登攀者にとって究極の挑戦となる。
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株価の急峻な下落に、市場は騒然となった。
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その地形の急峻さは、地図上では容易に把握できない。
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