旧地
きゅうち
名詞
標準
former property
文例 · 用例
それが二十二年の年末で、自分は杉浦先生の塾にゐて、原稿は書いても売れるアテの無かつた時代で、窮乏も甚だしい間であり、甚だ迷惑はしたけれど、已むを得ず旧地の新橋駅から、汽車で大森に行き、そこから二人乗の俥を傭つて、山谷まで出掛け、鬘製造元を訪ねた処が『何か、入れ物を持つて来ましたか』といふ。
— 江見水蔭 『硯友社と文士劇』 青空文庫
其時|在所の者が真言の道場であつた旧地へ肉食妻帯の門徒坊さんを入れるのは面白く無い、御寺の建つ事は結構だが何うか妻帯を為さらぬ清僧を住持にして戴きたいと掛合つた。
— 與謝野寛 『蓬生』 青空文庫
大阪の旧地誌は固より、京都側の書き物にも、其通りに伝へて居るのが段々ある。
— 折口信夫 『村々の祭り』 青空文庫
首里の「とんぢよもい」、那覇東村の旧地「うをぐぶい」など発音する地が其だ。
— 折口信夫 『日琉語族論』 青空文庫
しかるに一方クレの語は、もと夕暮の義で、ひとり呉の旧地に国した東晋以下南朝諸国のみのことではなく、一般に我が国で西方なる支那を呼んだ名称であった。
— 喜田貞吉 『国号の由来』 青空文庫
犬神人は祇園所属でありながら、後までもその住居はやはり五条坂で、いわゆる清水坂の旧地を離れておらぬのである。
— 喜田貞吉 『俗法師考』 青空文庫
浅草の旧地では凌雲閣の裏手から公園の北側千束町の路地に在ったものが、手を尽して居残りの策を講じていたが、それも大正十二年の震災のために中絶し、一時悉くこの方面へ逃げて来た。
— 永井荷風 『※東綺譚』 青空文庫
宮城野ノ旧地ニ係ル。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫
作例 · 標準
震災の復興計画がようやく軌道に乗り、かつての自宅があった思い出深い旧地に再び家を建てることを決意した。
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「おじいちゃんの代までは、あそこの川沿いの小高い丘がうちの旧地だったって聞いたよ。」
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都市再開発による道路拡張工事に伴い、先祖代々の旧地を離れて、郊外の新しい分譲地へ移転することになった。
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