素懐
そかい
名詞
標準
a cherished hope
文例 · 用例
廿一日、壬戌、和田平太胤長の女子、父の遠向を悲しむの余、此間病悩、頗る其恃少し、而るに新兵衛尉朝盛、其聞甚だ胤長に相似たり、仍つて父帰来の由を称して訪ひ到る、少生聊か擡頭して一瞬之を見、遂に閉眼すと云々、同夜火葬す、母則ち素懐を遂ぐ、西谷の和泉阿闍梨戒師たりと云々。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
けふ往生の素懐を遂なん。
— 北村透谷 『処女の純潔を論ず』 青空文庫
信長、秀吉、家康 戦国の群雄が素懐とした上洛の理想は、尾張に崛起した織田信長によつて遂げられたが、かうして、一躍新武家時代の寵児となつた信長は、上洛の栄誉を獲ると同時に、天下諸大名の嫉視の的となつたのである。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
隣舎犬、別村鶏、前川鯉、各々先生の詩情を動かし、桑麻、胡瓜、田翁、沙狗、渓叟、水鴉等の田園の風物、また先生淡生涯の素懐を述ぶるに足らしめてゐる。
— 中村憲吉 『頼杏坪先生』 青空文庫
「野ざらしを心に風のしむ身かな」――師匠は四五日前に、「かねては草を敷き、土を枕にして死ぬ自分と思つたが、かう云ふ美しい蒲団の上で、往生の素懐を遂げる事が出来るのは、何よりも悦ばしい」と繰返して自分たちに、礼を云はれた事がある。
— 芥川龍之介 『枯野抄』 青空文庫
執着して、徒らに往生の素懐を乱さるるな」 和尚は俗人の執念を厭悪するものの如く、ときに不興をあらはして、言つた。
— 坂口安吾 『閑山』 青空文庫
他から梅といわれようとも、桜といわれようともそれを信じてはならぬ」といわれるのを夢に見て、近頃の疑念が残りなく晴れ、往生の素懐をとげたということである。
— 中里介山 『法然行伝』 青空文庫
実秀の妻室も深くこの消息の教えを信受してよき往生の素懐を遂げたという。
— 中里介山 『法然行伝』 青空文庫
作例 · 標準
いつか世界を旅するというのが、彼の長年の素懐だった。
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私はかねてからの素懐を果たすため、会社を辞めて独立した。
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彼女は、絵を描き続けることが自分の素懐だと語った。
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