一騎
いっき
名詞
標準
one horseman
文例 · 用例
向うものが運命なら運命のぎりぎりの根元のところへ、向うものが事情なら、これ以上割り切れない種子のところに詰め寄って、掛値なしの一騎打の勝負をしよう。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
元禄の頃の陸奥千鳥には――木川村入口に鐙摺の岩あり、一騎立の細道なり、少し行きて右の方に寺あり、小高き所、堂一宇、次信、忠信の両妻、軍立の姿にて相双び立つ。
— 泉鏡太郎 『甲冑堂』 青空文庫
襖一重は一騎打で、座敷方では切所を防いだ、其處の一段低いのも面白い。
— 泉鏡太郎 『霰ふる』 青空文庫
散策子は、下衆儕と賭物して、鬼が出る宇治橋の夕暮を、唯一騎、東へ打たする思がした。
— 泉鏡花 『春昼後刻』 青空文庫
一騎当千の吾々、喧嘩では五、六人相手にしても負けない元気でいるが、なにしろ向うの連中はダイナマイトを持っているから、空心したことは出来ぬ。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫
ほどもあらせず、勝に乘つたる秀吉が一騎驅けに馬を寄せると、腰より采を拔き出し、さらりと振つて、此れは筑前守ぞや、又左、又左、鐵砲打つなと、大手の城門を開かせた、大閤大得意の場所だが、そんな夢も見ず、悶え明かした。
— 泉鏡太郎 『麻を刈る』 青空文庫
平治物語に拠ると、「十二月二十七日の夜更方の事なれば、暗さは暗し、先も見えねども、馬に任せて只一騎、心細く落ち給う。
— 太宰治 『花吹雪』 青空文庫
やがて士卒三人おそるおそるお庭の片隅にまかり出まして、そのうちの一人が少し進み出て、赤皮縅の鎧、葦毛の馬の武者一騎あざやかに先登かけて居られました、と申し述べ、たちまち義村さまは平伏なされ、忠綱さまは得々としてあたりを見廻しました。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
作例 · 標準
荒野の向こうから、一騎の武者が土煙を上げてこちらへ向かってくる。
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敵陣にたった一騎で突っ込むとは、無謀というほかはない。
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夕闇の中に、槍を携えた一騎の影が静かに佇んでいた。
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