挙止
きょし
名詞
標準
bearing
文例 · 用例
然しまだ曾てなかつた新しい人物の創造は抜き差しならぬ心の複雑さの故に苦しんでゐる人々、その人固有の挙止を失はないで持つてゐる人々にのみ、自然な欲求となるのである。
— 中原中也 『アンドレ・ジイド管見』 青空文庫
だれからもきれいとほめられる容貌と毛皮をもって、敏捷で典雅な挙止を示すと同時に、神経質な気むずかしさをもっていた。
— 寺田寅彦 『備忘録』 青空文庫
そんな気持でしているのではないかもしれないが、そしてそうでない証拠にはすべての挙止がいかにもこだわりのない自然さを持っているのだが、後れ毛一つ下げていないほどそれを清く守っているのを見ると、どこといってつけ入る隙もないように見えた。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
彼は心の中にわくわくするようないやな気分を持ちながらも、割合に落ち着いた挙止でそれだけの仕事をすませた。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
挙止侠にして、人を怯れざる気色は、世磨れ、場慣れて、一条縄の繋ぐべからざる魂を表わせり。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
太祖|其の挙止端整なるを喜びて、皇孫に謂って曰く、此荘士、当に其才を老いしめて以て汝を輔けしめんと。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
肥白にして愛想好く、挙止もまた都雅であった。
— 森鴎外 『細木香以』 青空文庫
その物言いもはきはきしていて、その挙止も愛らしかった。
— 酉陽雑爼(唐) 『中国怪奇小説集』 青空文庫