無想
むそう
名詞
標準
a blank mind
文例 · 用例
芸術は扨措いて、生活の中ででもそのやうな手合は困るのであつて、それらの人が朝目覚めた時の無念無想、即ち瞑想状態が、精神にも物質にも有益であつて、其処にこそ現実があり欣怡のあることに想到されるやう、私一介の馬鹿は希つてゐる。
— 中原中也 『詩に関する話』 青空文庫
武林無想庵氏の話によると、この余裕性をもたない都市は、世界で紐育と東京だけださうだが、それでもまだ喫茶店があるだけ、東京の方が大阪よりましかも知れない。
— 萩原朔太郎 『喫茶店にて』 青空文庫
私はアブに気がついたほど、まだ余裕があったが、アブの方では、人間などに傍目も触れず、無念無想に花の蜜の甘美に酔っている。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
吾人が事象に対した時に、吾人の感官が刺戟されても、無念無想の渾沌たる状態においては自分もなければ世界もない。
— 寺田寅彦 『文学の中の科学的要素』 青空文庫
強弱の火華を消して無念無想の境地をもとめて人々が四散した。
— 吉行エイスケ 『女百貨店』 青空文庫
ああ、無念無想の結果を見よ。
— 太宰治 『道化の華』 青空文庫
斯る時、人は往々無念無想の裡に入るものである。
— 國木田独歩 『空知川の岸辺』 青空文庫
あるいは特にそういう人たちはこの時間を利用して庭にでもおり、高い大空を仰いで白雲でもながめながら無念無想の数分間を過ごす事ができたらその効果は肉体的にも精神的にも意外に大きなものになるかもしれない。
— 寺田寅彦 『一つの思考実験』 青空文庫
作例 · 標準
座禅を組み、呼吸を整えて無想の境地に至ると、心の中の迷いが消えていった。
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何も考えず、ただひたすらに焚き火を見つめている時間は、彼にとって大切な無想のひとときだ。
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武道の達人は、無想のまま相手の動きに反応し、最小限の動きで攻撃を受け流した。
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