薫風
くんぷう
名詞
標準
balmy breeze
文例 · 用例
われはつちを掘り、つちをもりて、日毎におんみの家畜を建設す、いま初夏きたり、主のみ足は金屬のごとく、薫風のいただきにありて輝やき、われの家畜は新緑の蔭に眠りて、ふしぎなる白日の夢を畫けり、ああしばし、ねがはくはこの湖しろきほとりに、わがにくしんをしてみだらなる遊戲をなさしめよ。
— 萩原朔太郎 『初夏の祈祷』 青空文庫
そんなことを考えながら帝劇の玄関を下りて、雨のない六月晴の堀端の薫風に吹かれたのであった。
— 寺田寅彦 『雑記帳より(2)』 青空文庫
雲雀料理五月の朝の新緑と薫風は私の生活を貴族にする。
— 萩原朔太郎 『月に吠える』 青空文庫
すべてのエキゾティックなものに憧憬をもっていた子供心に、この南洋的西洋的な香気は未知の極楽郷から遠洋を渡って来た一脈の薫風のように感ぜられたもののようである。
— 寺田寅彦 『コーヒー哲学序説』 青空文庫
俳句の季題の「おぼろ」「花の雨」「薫風」「初あらし」「秋雨」「村しぐれ」などを外国語に翻訳できるにはできても、これらのものの純日本的感覚は到底翻訳できるはずのものではない。
— 寺田寅彦 『涼味数題』 青空文庫
試みにやはり『灰汁桶』の巻について点検すると、なるほど前句「摩耶」の雲に薫風を持って来た上に「かますご」を導入したのは結構であるが、彼の頭にはおそらくこの「夕飯のかますご」が膠着していてそれから六句目の自分の当番になって「宵々」の「あつ風呂」が出現した感がある。
— 寺田寅彦 『連句雑俎』 青空文庫
桃葉しきりに、薫風や/\とうなりたるが、あとの句がうかばず。
— 大町桂月 『南洲留魂祠』 青空文庫
醉うては、句も出來まじと云へば、桃風忽ち、薫風や直酒過ぎたる四人づれといふ。
— 大町桂月 『南洲留魂祠』 青空文庫
作例 · 標準
初夏の穏やかな薫風が、庭いっぱいに花の香りを運んできた。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
薫風が心地よい日、私たちは公園でピクニックを楽しんだ。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
「わあ、この薫風、すごく気持ちいいね!」
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
ウィキペディア曖昧さ回避
薫風(くんぷう)とは初夏の若葉や青葉の香りを含んだ穏やかな風。読み下して「風薫る(かぜかおる)」とも。初夏の時候の言葉。俳句では夏の季語。
漢詩
外部リンク
- デジタル大辞泉『薫風』 — コトバンク
- デジタル大辞泉『風薫る』 — コトバンク
出典: 薫風 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0