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木枯らし

こがらし
名詞
1
標準
cold wintry wind
文例 · 用例
美代が宿入りの夜など、木枯らしの音にまじる隣室のさびしい寝息を聞きながら机の前にすわって、ランプを見つめたまま、長い息をすることもあった。
寺田寅彦 どんぐり 青空文庫
木枯らしの吹くたそがれ時などに背中へ小さなふろしき包みなど背負ってとぼとぼ野道を歩いている姿を見ると、ひどく感傷的になってわあっと泣き出したいような気持ちになったものである。
寺田寅彦 ステッキ 青空文庫
夜ふけて人通りのまばらになった表の通りには木枯らしが吹いていた。
寺田寅彦 銀座アルプス 青空文庫
死に物狂いの大晦日の露店の引き上げた跡の街路には、紙くずやら藁くずやら、あらゆるくずという限りのくず物がやけくそに一面に散らばって、それがおりからのからび切った木枯らしにほこり臭い渦を巻いては、ところどころの風陰に寄りかたまって、ふるえおののきあえいでいるのである。
寺田寅彦 銀座アルプス 青空文庫
しかし木枯らし吹く夕暮れなどに遠くから風に送られて来るラッパの声は妙に哀愁をおびて聞こえるものである。
寺田寅彦 藤棚の陰から 青空文庫
四五人、五六人という群れになって北山おろしの木枯らしに吹かれながら軒並みをたずねて玄関をおとずれ、口々にわざと妙な作り声をして「カイツットーセ」という言葉を繰り返す。
寺田寅彦 自由画稿 青空文庫
木枯らしにまたたく街路の彩燈の錦の中にさまざまの幻影が浮かびまた消えるような気がするのであった。
寺田寅彦 青衣童女像 青空文庫
神田の夜店の木枯らしの中に認めたこの青衣少女の二重像はこのほとんど消えてしまっていた記憶を一時に燃え上がらせた。
寺田寅彦 青衣童女像 青空文庫
作例 · 標準
冷たい木枯らしが吹き荒れ、駅前のイチョウが一晩で丸裸になった。
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木枯らしに吹かれながら、コートの襟を立てて家路を急いだ。
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「うわっ、木枯らしが冷たくて耳が痛いよ」と彼は顔をしかめた。
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