悶
もん
名詞頻度ランク #934 · 青空 244 例
標準
agony
文例 · 用例
野も山も新緑で、はだかになってしまいたいほど温く、私には、新緑がまぶしく、眼にちかちか痛くって、ひとり、いろいろ考えごとをしながら帯の間に片手をそっと差しいれ、うなだれて野道を歩き、考えること、考えること、みんな苦しいことばかりで息ができなくなるくらい、私は、身悶えしながら歩きました。
— 太宰治 『葉桜と魔笛』 青空文庫
或時は私は、もう悶死するのかとも思つた。
— 中原中也 『我が生活』 青空文庫
折々堪らないやうに双眼の切れ目から輻射状の皺を発したが、それでも更にそれらの喫殻に手を下さうとしないのは、明かに彼自身にも得体の知れぬ悶えが、彼の中を横行してゐたからである。
— 中原中也 『医者と赤ン坊』 青空文庫
背後から靠掛る樣に抱きついて密接顏を押し附けると、切なげに身を悶えて『堪忍してよ、芳ちやん………』『………』男は何か言はうとして、僅に手先を動かしたが『阿※』と一|唸呻、言下に反繰返つて仰樣に僵れた。
— 萩原朔太郎 『二十三夜』 青空文庫
悶え苦しさに覚えず唸り声を出すと、妻は驚いてさし覗いたが急いで勝手の方へ行って氷を取りかえて来た。
— 寺田寅彦 『枯菊の影』 青空文庫
元来一つであるべきものが無理に二つに引きわけられ、それが一緒になろう/\と悶え苦しむようでもあり、また別れよう/\とするのを恐ろしい力で一つにしよう/\と責め付けられるようでもある。
— 寺田寅彦 『枯菊の影』 青空文庫
恐ろしい闇、恐ろしい命と身を悶えた拍子に、氷袋がすべって眼がさめた。
— 寺田寅彦 『枯菊の影』 青空文庫
現代の人間が四十歳くらいで得た人生観や信条をどこまでも十年一日のごとく固守して安心しているのが宜いか悪いか、それとも死ぬまでも惑い悶えて衰頽した躯を荒野に曝すのが偉大であるか愚であるか、それは別問題として、私は「四十にして不惑」という言葉の裏に四十は惑い易い年齢であるという隠れた意味を認めたい。
— 寺田寅彦 『厄年と etc.』 青空文庫
作例 · 標準
病気の苦しみに悶えながら、彼は夜を過ごした。
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絶望の淵で、彼は悶え苦しんだ。
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悶の表情を浮かべながら、彼は痛みに耐えていた。
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