幽遠
ゆうえん
形容動詞名詞
標準
deep and remote
文例 · 用例
その神祕な幽遠の靜けさは恐らくあらゆる人の心の妄執も邪念も打ち滅ぼして行くに違ひない。
— 南部修太郎 『修道院の秋』 青空文庫
寒くはないかと皆が聞いたが寒いとも暑いともそういう感じはどこかへ逃げ去ってしまって、ただ静寂なそして幽遠なような感じが全身を領して三時の来るのが別に待遠しく思われなかった。
— 寺田寅彦 『病中記』 青空文庫
それにしてもいもりの黒焼きの効果だけは当分のところ、物理学化学生理学の領域を超越した幽遠の外野に属する研究題目であろうと思われる。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
冬の夜嵐吹きすさぶころとなっても、がさがさと騒々しい音で幽遠の趣をかき擾している。
— 国木田独歩 『小春』 青空文庫
日曜毎に東京から押し寄せて来る多くの人々の足に蹂み躪られて、雑草は殆んど根絶えになり、小砂利まで踏み出されている地面から、和やかに伸びた杉の樹は、太い鉛筆を並べ立てたかと思われる程真っ直ぐな幹を美しく並べ揃え、目先を遮って幽遠さを見せている。
— 佐左木俊郎 『首を失った蜻蛉』 青空文庫
それならなんぢのいまはと問はれたら、どうしよう、かの道元の谿聲山色はあまりにも幽遠である。
— 山村暮鳥 『雲』 青空文庫
たしか、私が、文科の大学生活を終へた同じ年のことで、何故か私は文学よりも、哲学に憧れを寄せはぢめて、身をもつて健やかな生活に、つまり、いとも花々しい労働に没頭することから端を発して幽遠な精神上の光りの国へ憧憬の翼を差し伸したい――そんな風な、云はゞエピクテイタス流の希ひに胸をふくらませて居りました。
— An episode from the forest 『祝福された星の歌』 青空文庫
之を聞いてゐるうちに私の心には深山のその凝つてゐた白雪が解けて滔々と流れ出づる時季といふものを感じて、さうした溪間に萠え上つてくる春草の匂ひさへ感じられる樣な、たとへやうのない幽遠な氣持に誘はれていつた。
— 今井邦子 『雪解水』 青空文庫
作例 · 標準
禅寺の庭園は、幽遠な趣がある。
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彼の言葉には、幽遠な真理が隠されていた。
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幽遠な思想は、多くの哲学者に影響を与えた。
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