禁闕
きんけつ
名詞
標準
palace gate
文例 · 用例
織田信長が今川を亡ぼし、佐※木、浅井、朝倉をやりつけて、三好、松永の輩を料理し、上洛して、将軍を扶け、禁闕に参った際は、天下皆鬼神の如くにこれを畏敬した。
— 幸田露伴 『魔法修行者』 青空文庫
元治元年の騷動は長州其他の兵士が禁闕に向つて發砲し、それが會津薩摩の兵に破られ、或は戰死し或は自殺し、其統率者であつた長州三家老は、翌年幕府の長州征伐に對して服罪して自殺した。
— 内藤湖南 『維新史の資料に就て』 青空文庫
その上、そこまで官軍に反抗するとなると、藩祖楽翁公が禁裡御造営に尽された功績も、また近く数年|禁闕を守護して、朝廷に恪勤を尽した忠誠も、没却されてしまうばかりでなく、どんな厳罰に処せられて、当家の祭祀が絶えてしまうようなことがないとも限らない。
— 菊池寛 『乱世』 青空文庫
定敬公が、禁闕に発砲して、朝敵の悪名を被ていられる以上、万之助様を擁立して、どこまでも朝廷に恭順の誠を表するのが得策であるというのである。
— 菊池寛 『乱世』 青空文庫
『医心方』は禁闕の秘本であった。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
想ひ見よ、幾千の山法師が、日吉権現の神輿を擁して、大法鼓をならし、大法螺を吹き、大法幢を飜し、咄々として、禁闕にせまれるの時、堂々たる卿相の肝胆屡※是が為に寒かりしを。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫
彼が弓箭を帯して禁闕を守るや、時人は「色白うみめはよい男にてありけれど、起居振舞の無骨さ、物云ひたる言葉つきの片口なる事限りなし」と嘲侮したり。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫
こんな外国の侵入者がわが禁闕の下に至るのは許しがたいことだとして、攘夷の決行されないのを慷慨するものもある。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫