硯池
けんち
名詞
標準
inkstone well
文例 · 用例
一月十六日冬夜偶成硯池冰欲雪 硯池氷りて雪ならんとするも、茵蓐暖於春 茵蓐春よりも暖かなり。
— 河上肇 『閉戸閑詠』 青空文庫
紙筆、硯机、煙管、巾櫛の類より、炉中の火、硯池の水に至るまで、その主の許可あるに非ずして使用することを許さず」など、事細かなもので、門人ではなくとも置いて戴いて、外に人もいられたのでしょうから、若いお兄様には窮屈だったろうと思います。
— 小金井喜美子 『鴎外の思い出』 青空文庫
少し早いやうでやすがもう秋にしますかな芒はどうでせう」と言つて増田の出した半紙を一枚取つてそれを二つに折り、三藏の硯箱の中から一本の筆を取出して、尖の堅くなつてゐるのをいきなり硯池に突き込んで、もう早や何か書かれたが、薄墨がにじんで大きな染みが半紙に出來る。
— 高濱虚子 『俳諧師』 青空文庫
この女房の母親で、年紀の相違が五十の上、余り間があり過ぎるようだけれども、これは女房が大勢の娘の中に一番|末子である所為で、それ、黒のけんちゅうの羽織を着て、小さな髷に鼈甲の耳こじりをちょこんと極めて、手首に輪数珠を掛けた五十格好の婆が背後向に坐ったのが、その総領の娘である。
— 泉鏡花 『国貞えがく』 青空文庫
午飯に、けんちんを食べて吐いた。
— 泉鏡太郎 『麻を刈る』 青空文庫
私は、今もつて、決してけんちんを食はない。
— 泉鏡太郎 『麻を刈る』 青空文庫
聊かけんちんに似て居るから、それさへも遠く慮る。
— 泉鏡太郎 『麻を刈る』 青空文庫
それはね、ほら、鯛のけんちんむしといふものよ。
— 泉鏡太郎 『火の用心の事』 青空文庫
作例 · 標準
書道家は、硯池に水を注ぎ、墨を丁寧に磨った。
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その骨董の硯には、美しい硯池が彫刻されていた。
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硯池の墨の香りが、書斎に満ちた。
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