怪死
かいし
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
mysterious death
文例 · 用例
それを伝える人の話によれば、その女工の怪死は、四番目におこった怪異であるとのことであった。
— 田中貢太郎 『堀切橋の怪異』 青空文庫
第一番目は、開橋式が済んで間もない夜の八時頃、千住の紙工場に通っているお時という女工が、橋の中程、ちょうど女工の怪死していた上の方まで往くと、霧の中から真黒な目も鼻もない滑面の樽のような顔がぬっと出て、お時の顔を下から上へ撫であげた。
— 田中貢太郎 『堀切橋の怪異』 青空文庫
空家の怪死体 ××踏切附近の廃屋の中で 死後約一個月を経た半骸骨 会社員らしい若い背広男 私はこの新聞記事を掴むと、夢中で公園を飛び出した。
— 夢野久作 『縊死体』 青空文庫
それ程ののぼせ方で、主水之介に酔狂呼ばわりは片腹痛いわ」 にわかにうろたえ出した町役人共を尻目にかけて、怪死を遂げた古高新兵衛の骸に近よりながら、先ず鉄扇で打たれた脇腹を打ち調べてみると、然るにこれがますます不審です。
— 後の旗本退屈男 『旗本退屈男 第三話』 青空文庫
無論その目的は、疑問の怪死を遂げた古高新兵衛の馬丁について、何等かあの金色ハブの手掛りを嗅ぎつけようと言うつもりからでしたが、然るに、それなる馬丁が甚だ不都合でした。
— 後の旗本退屈男 『旗本退屈男 第三話』 青空文庫
これがR事件の最初の一頁なのであるが、それは白昼華やかな銀座街の鋪道の上で起った妙齢の婦人の怪死事件から始まる。
— 海野十三 『流線間諜』 青空文庫
そして若しその怪死事件の現場にかの有名な青年探偵|帆村荘六が居合わさなかったとしたら、これは舞台が華やかな銀座で演じられたというだけのことで結局|極く普通の死亡事件として見遁されてしまったことであろう。
— 海野十三 『流線間諜』 青空文庫
思えば銀座の鋪道で偶然見た婦人の怪死事件から発して、かずかずの冒険をくりかえし、その結果、はからずも釣りあげた敵の密書から、いまや重大なる行動が起されようとしているのだ。
— 海野十三 『流線間諜』 青空文庫