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義心

ぎしん
名詞
1
標準
chivalrous spirit
文例 · 用例
が、次の刹那には、何故か私の心には臆病な道義心も、氣おくれもなくなつてしまつた。
南部修太郎 ハルピンの一夜 青空文庫
是から人に逢ふ度に君は神經衰弱かときいて然りと答へたら普通の徳義心ある人間と定める事に致さうと思つてゐる 今の世に神經衰弱に罹らぬ奴は金持ちの魯鈍ものか、無教育の無良心の徒か左らずば、二十世紀の輕薄に滿足するひやうろく玉に候。
夏目漱石 鈴木三重吉宛書簡―明治三十九年 青空文庫
ただ土の下へ心が沈む丈で、人情から云っても道義心から云っても、殆んど此圧迫の賠償として何物も与えられていない。
――長塚節著『土』序―― 『土』に就て 青空文庫
ゆうべの朗読劇とやらは、あたしはこんなからだですから御遠慮して、拝見しませんでしたけれど、もし父が正義のためだと言ってはじめたものなら、きっと、そのとおり、それは、父の正義心から出た催し事だと思います。
太宰治 新ハムレット 青空文庫
又身の欲する所と心の欲する所と牴牾するが如き場合、即ち慾と道義心との相爭ふ場合などを省察したるより發したのでも有らう。
幸田露伴 努力論 青空文庫
鉄石の義心は、びくともせず、之を叱咤し統御し、ついに約束の自由の土地まで引き連れて来ました。
太宰治 風の便り 青空文庫
肉鍋の傍に大あぐらをかいて、「奴隷の平和」をほくほく享楽しているのも、まんざら悪くない気持で、貧乏人の私には、わかり過ぎる程わかっているのですが、でもモーゼの義心と焦慮を思うと、なまけものの私でも重い尻を上げざるを得なくなります。
太宰治 風の便り 青空文庫
モーゼほどの鉄石の義心と、四十年の責任感とを持っているのならとにかく、私の心の高揚は、その日のお天気工合等に依って大いに支配されているような有様ですから、少しもあてになりません。
太宰治 風の便り 青空文庫