利己心
りこしん
名詞
標準
egoism
文例 · 用例
「おばさん一緒に死んで呉れると云ったわね」 と夫のある自分をいくら少女でも十四にもなった政枝が思いやりもなく責めるのも、可愛相より時には怖しく聞く多可子は、その病的な利己心にそら怖ろしい気がするのであった。
— 岡本かの子 『勝ずば』 青空文庫
昔|獣であった時代からこれを生命と守り通して来た利己心――生命の保存と永続の二つの本能のいとなみに凝り固まりました。
— 夢野久作 『鼻の表現』 青空文庫
いかなれば我をさまで利己心多きものとはし給ふぞ。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
ことにそれは、この闇の中に、ボンヤリすわって時々、「シッカリしないか」とだけ怒鳴る船長の、利己心からのみ起こった一切だ、という感じが、いつのまにか、闇が産みつけでもしたように、二人の胸の中に食い入っていたのであった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
これらは凡て利己心の変形にすぎないのである。
— 西田幾多郎 『善の研究』 青空文庫
しかしそは皆利己心より出づるにすぎない、本質を異にせる者の相互の関係は利己心の外に成り立つことはできないのである。
— 西田幾多郎 『善の研究』 青空文庫
それに庸三は、生活の責任を回避しながら――それには現実に即しえられない彼女の本質的な欠陥があるという理由があるにしても――彼女の愛を偸もうとする利己心を、性格のどこかに我知らず包蔵していた。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
それを彼女の利己心だとばかりも思へなかつた。
— 徳田秋声 『花が咲く』 青空文庫
作例 · 標準
緊急事態に直面したとき、パニックに陥った人々の利己心がむき出しになり、周囲はあっという間に混乱に陥った。
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ボランティア活動を始めたのは、単なる善意だけでなく、他人から良く見られたいという少しの利己心もあった。
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彼は自らの利己心を抑え込み、最後に残った一つの弁当を飢えている子供にそっと差し出した。
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