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名香

めいこう
名詞
1
標準
fine incense
文例 · 用例
…… 明さんの迷った目には、煤も香を吐く花かと映り、蜘蛛の巣は名香の薫が靡く、と心時めき、この世の一切を一室に縮めて、そして、海よりもなお広い、金銀珠玉の御殿とも、宮とも見えて、令室を一目見ると、唄の女神と思い祟めて、跪き、伏拝む。
泉鏡花 草迷宮 青空文庫
元來この山の名は二荒山であつて、音讀して美しい字面を填めて日光山となつたのは、たとへば赤倉温泉の中の嶽が名香の嶽の字で填められ、名香を音讀して妙高山となり、今日では妙高山で通るやうになつたと同じである。
幸田露伴 華嚴瀧 青空文庫
や、何とも云へぬ名香のかをり、身も心も消ゆるやうぢや。
木下杢太郎 南蛮寺門前 青空文庫
わが室は夢の方丈、匂やかに名香なびき、遠世なる暮色の寂に哀婉の微韻を湛へ、髣髴と女人の姿光さし続く幾むれ、白鳥の歌ふが如く過ぎゆきぬ、すべる羅の裾。
北原白秋 第二邪宗門 青空文庫
これより二年目、寛永三年九月|六日主上二条の御城へ行幸遊ばされ妙解院殿へかの名香を御所望|有之すなわちこれを献ぜらるる、主上|叡感有りて「たぐひありと誰かはいはむ末※ふ秋より後のしら菊の花」と申す古歌の心にて、白菊と名附けさせ給由承り候。
森鴎外 興津弥五右衛門の遺書 青空文庫
これより二年目、寛永三年九月六日|主上二条の御城へ行幸遊ばされ、妙解院殿へかの名香を御所望有之、すなわちこれを献ぜらる、主上|叡感有りて、「たぐひありと誰かはいはむ末※ふ秋より後のしら菊の花」と申す古歌の心にて、白菊と名づけさせ給う由承候。
森鴎外 興津弥五右衛門の遺書(初稿) 青空文庫
が希くば、竜涎、蘆薈、留奇の名香
泉鏡花 河伯令嬢 青空文庫
名香数|斛、宝剣一|雙、婦女三十人、その婦女はみな絶世の美女で、久しいものは十年もとどまっている。
白猿伝・其他 中国怪奇小説集 青空文庫
作例 · 標準
茶道では、季節や場面に合わせて様々な名香が用いられる。
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部屋に名香を焚きしめると、心が落ち着き、豊かな気持ちになる。
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古くからの寺院では、仏前で名香が絶えることなく焚かれている。
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