堰
せき異読 いせき・い
名詞多音語頻度ランク #24612 · 青空 377 例
標準
dam
文例 · 用例
石から石の上を飛びめぐる鶺鴒と筋交ひに、舟は両崖の迫つた間の急湍を、櫂を休めて悠々と乗つ切る、川には筏に組む材木が漂ひながら岩に堰かれてゐる、王子製紙会社の紙の原料で、中部の支社で、製するのだといふ。
— 小島烏水 『天竜川』 青空文庫
午前五時、午前九時、正午十二時、午後三時、午後六時には取入口から水路、発電所、堰堤と、各所から凄じい発破の轟音が起った。
— 葉山嘉樹 『坑夫の子』 青空文庫
そうした行列の中を一台立派な高級自動車が人の流れに堰かれながらいるのを見ると、車の中には多分掛物でも入っているらしい桐の箱が一杯に積込まれて、その中にうずまるように一人の男が腰をかけてあたりを見廻していた。
— 寺田寅彦 『震災日記より』 青空文庫
寺の前がすぐ大堰川の流で「梵鐘は清波を潜って翠巒に響く」という涼しい詩偈そのままの境域であります。
— 岡本かの子 『鯉魚』 青空文庫
将軍が大堰川へ船遊びの際、伴船に使う屋根船で、めったに人の手に触れません。
— 岡本かの子 『鯉魚』 青空文庫
私たちはその溜り水から堰をこしらえて滝にしたり発電処のまねをこしらえたり、ここはオーバアフロウだの何の永いこと遊びました。
— 宮沢賢治 『イギリス海岸』 青空文庫
挟箱や鳥毛の槍を押し立てて舞踊しながら練り歩く百年前の姿をした「サムライ日本」の行進のために「モダーン日本」の自由主義を代表する自動車の流れが堰き留められてしまったのである。
— 寺田寅彦 『箱根熱海バス紀行』 青空文庫
これからだんだん暑くなりますから、田圃の小流れのようなところで、板片などで水を堰き止めて早吸の瀬戸や鳴門の模様をこしらえてみるのも面白かろうと思います。
— 寺田寅彦 『瀬戸内海の潮と潮流』 青空文庫