齣
くさり
名詞
標準
passage
文例 · 用例
「光について」の六齣の詩も僅かにその片鱗が理解出來るにとどまる。
— 梶井基次郎 『詩集『戰爭』』 青空文庫
ここらで一轉、パノラマ式の數齣を展開させるか。
— 太宰治 『道化の華』 青空文庫
ほんたうは、僕はこの小説の一齣一齣の描寫の間に、僕といふ男の顏を出させて、言はでものことをひとくさり述べさせたのにも、ずるい考へがあつてのことなのだ。
— 太宰治 『道化の華』 青空文庫
ともすれば硬直したがる僕の神經に對しても、また、おそらくはおなじやうな諸君の神經に對しても、いささか毒消しの意義あれかし、と取りかかつた一齣であつたが、どうやら、これは甘すぎた。
— 太宰治 『道化の華』 青空文庫
話もちょうど一齣らしい。
— 泉鏡花 『露萩』 青空文庫
但し、以下の一齣は、かつて、一樹、幹次郎が話したのを、ほとんどそのままである。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
これを知つてゐる自分の眼からは、一齣の曲が観えてならない。
— 幸田露伴 『平将門』 青空文庫
ワグネルが『タンホイゼル』の第三|齣、『フアウスト』歌劇中のローマンマーチ、さてはかの名高き『ウヰルヘルム・テル』の管絃楽『ローヘングリン』の花嫁の進行曲もありき。
— 石川啄木 『閑天地』 青空文庫