咳
せき異読 しわぶき
名詞頻度ランク #12308 · 青空 1855 例
標準
cough
文例 · 用例
ごらん下さい、私はいまこうしています、ああしていますと、いちいち説明をつけなければ指一本うごかせず咳ばらい一つできない。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
私は東北生れの癖に、寒さに弱く、ごほん、ごほん變な咳さへ出て來て、たうとう下山を決意した。
— 太宰治 『九月十月十一月』 青空文庫
四畳半と覚しき間の中央に床をのべて糸のように痩せ細った身体を横たえて時々|咳が出ると枕上の白木の箱の蓋を取っては吐き込んでいる。
— 寺田寅彦 『根岸庵を訪う記』 青空文庫
と偉さうに咳ばらひを一つして、「よい眺めぢやなう。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
と高く咳ばらひをするのである。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
いつも力無い咳をして、さうして顏色も惡く、朝起きて部屋の障子にはたきを掛け、帚で塵を掃き出すと、もう、ぐつたりして、あとは、一日一ぱい机の傍で寢たり起きたり何やら蠢動して、夕食をすますと、すぐ自分でさつさと蒲團を敷いて寢てしまふ。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
やがてお父さんが目を覚まして、咳払ひや煙草盆の音を立て始めると、急に家中活気を呈して来ます。
— 中原中也 『家族』 青空文庫
太郎坊へ着いて見ると、戸は厳重に釘づけにされ、その上に材木を筋交えに抑えにして、鋼線で結びつけてあるが、寂ッそりとして、人の気はなく、案内者の咳払いが、沈んだ空気を乱しただけだ。
— 小島烏水 『雪中富士登山記』 青空文庫