海洋
かいよう
名詞頻度ランク #5980 · 青空 323 例
標準
ocean
文例 · 用例
冬の日沖に荒れむとして浪は舷側に凍り泣き錆は鐵板に食ひつけども軍艦の列は動かんとせず蒼茫たる海洋の上彼等の叫び、渇き、熱意するものを強く持せり。
— 萩原朔太郎 『氷島』 青空文庫
大学講堂の裏の|橡の小森をぬけて一町くらいのゲオルゲン街の一区劃に地理教室と海洋博物館とが同居していた。
— 寺田寅彦 『ベルリン大学(1909-1910)』 青空文庫
いつか海洋博物館での通俗講演会でペンクが青島の話をしたとき、かの地がいかに地の利に富むかということを力説し、ここを占有しているドイツは東洋の咽喉を扼しているようなものだという意味を婉曲に匂わせながら聴衆の中に交じっている日本留学生の自分の顔を見てにこにこした。
— 寺田寅彦 『ベルリン大学(1909-1910)』 青空文庫
海洋博物館の前を西へ高架線に沿うて行くと停車場の前をぬけてスプレーの河岸へ出る。
— 寺田寅彦 『ベルリン大学(1909-1910)』 青空文庫
ただこの問題の決定に必要な十分な海洋観測の材料がないために問題はそのままに問題として残され、やがていつとなく忘れられていた。
— 寺田寅彦 『新春偶語』 青空文庫
敢えて農作関係ばかりとは限らず、系統的な海洋観測が我邦のような海国にとっては軍事上からも水産事業のためにも非常に必要であるということは、実に分りきったことであるが、この分り切ったことがどういう訳か昔の日本の政府の大官には永い間どうしても分らなかったのである。
— 寺田寅彦 『新春偶語』 青空文庫
故人北原多作氏のごとき少数な篤学の官吏の終生の努力と熱心によってようやく水産に聯関した海洋調査がやや系統的に行われるようになりはしたが、自分の知る限りでは時々の政府の科学的理解のない官僚の気まぐれなその日その日の御都合による朝令暮改の嵐にこの調査の系統が吹き乱される憂いが多分にあった。
— 寺田寅彦 『新春偶語』 青空文庫
幸いに近年は農林省方面でも海洋観測の必要を痛切に認識して系統的な調査もようやくその緒に就いたようで、誠に喜ばしい次第である。
— 寺田寅彦 『新春偶語』 青空文庫