霧雨
きりさめ異読 きりあめ
名詞頻度ランク #40069 · 青空 123 例
標準
drizzle
文例 · 用例
釜石よりの帰り宮沢賢治かぎりなく鳥はすだけどこゝろこそいとそゞろなれ竹行李小きをになひ雲しろき飯場を出でぬみちのべにしやが花さけばかうもりの柄こそわびしきかすかなる霧雨ふりて丘はたゞいちめんの青谷あひの細き棚田に積まれつゝ廐肥もぬれたり
— 宮沢賢治 『釜石よりの帰り』 青空文庫
そよ吹く風に霧雨舞い込みてわが面を払えば何となく秋の心地せらる、ただ萌え出ずる青葉のみは季節を欺き得ず、げに夏の初め、この年の春はこの長雨にて永久に逝きたり。
— 国木田独歩 『おとずれ』 青空文庫
車を下りし時は霧雨やみて珍しくも西の空少しく雲ほころび蒼空の一線なお落日の余光をのこせり。
— 国木田独歩 『おとずれ』 青空文庫
この哀れなる姿をめぐりて漂う調べの身にしみし時、霧雨のなごり冷ややかに顔をかすめし時、一陣の風木立ちを過ぎて夕闇|嘯きし時、この切那われはこの姉妹の行く末のいかに浅ましきやを鮮やかに見たる心地せり。
— 国木田独歩 『おとずれ』 青空文庫
」 と笑って、一つ一つ、山、森、岩の形を顕わす頃から、音もせず、霧雨になって、遠近に、まばらな田舎家の軒とともに煙りつつ、仙台に着いた時分に雨はあがった。
— 泉鏡花 『七宝の柱』 青空文庫
その日もひどく覚束ない空模様で、天気予報も雨天を報じているのに拘らず未練がましく出かけて行った私が、電車を降りた時にはすでに、霧雨がしんしんと不忍池の面をこめて降っていた。
— 渡辺温 『風船美人』 青空文庫
霧雨がふってきました。
— ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 『アンネ・リスベット』 青空文庫
雨は止みたりや、天は如何にと云へば、弟、雨は猶降れゝど音も無き霧雨となりたり、雲の脚|断れて天明るくなりたれば、やがて麗はしく晴れん、人々の言葉も必ず空頼めなるまじと勇み立つて云ふ。
— 幸田露伴 『鼠頭魚釣り』 青空文庫