寸暇
すんか
名詞
標準
moment's leisure
文例 · 用例
明日からまた稲扱きに寸暇もない。
— 葉山嘉樹 『運動会の風景』 青空文庫
私は現代のあらゆる忙しい人たち、一日も新聞を欠かし得ないような人たちが、試みに寸暇をさいてこういう思考実験をやってみるという事は、そういう人たちにとって非常にいい事でありはしないか、また多数の人がそれを試みる事によって前に言ったような新聞の悪い影響がいくぶんでも薄められはしないだろうかと思ってみた。
— 寺田寅彦 『一つの思考実験』 青空文庫
随分奇異な先生ぶりではあったろうが、何も当面を錯過するのでは無く、寸暇の遊心を聖道に運んでいるのみであるから、咎めるべきにはならぬことだったろう。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
この際、忙中寸暇を割いて、座つて落ち付いて見る、場所はあまり物を置かない庭向きの座敷がいい、新茶の一椀を啜つて見るのもいい、これは決して贅沢でも閑人でもない。
— 岡本かの子 『初夏に座す』 青空文庫
実際上世間では千人中の九百九十八人か九人位までは、生活の問題とその慰安|或は特別のお楽しみ筋なんぞのために寸暇も無い位頭を使っておられるように見受けられます。
— 夢野久作 『鼻の表現』 青空文庫
されば妾は毎日の修業それよりそれと夜に入るまでほとんど寸暇とてもあらざるなりき。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
彼は晝は寸暇をも惜んで勞働をするので一つには其れが夜なべの仕事を勵み得ない程の疲勞を覺えしめて居るのでもあるが、少し懷が窮屈でなくなつてからは長い夜の休憇時間には滅多に繩を綯ふこともなく風呂に行つては能く噺をしながら出殼の茶を啜つた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
おつぎは八釜敷勘次に使はれて晝の間は寸暇もなかつた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
作例 · 標準
家事の合間の寸暇を見つけては、趣味の刺繍を少しずつ進めている。
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出張続きの彼だが、仕事の寸暇を惜しんで地元の名物を食べに出かけた。
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寸暇を盗んで読み進めていた小説が、ようやく今日、最終章にたどり着いた。
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