寸刻
すんこく
名詞
標準
moment
文例 · 用例
『手術の結果如何だが、とに角、盡すだけは盡してみよう‥‥‥』と、内科の瀧口博士と共にお前を一わたり診察し終つた時、水島はさうした頼りない詞を私に囁いて、お前の爲に寸刻を爭ふ手術の準備を整へに、手術室へ急いだのだ。
— 南部修太郎 『疑惑』 青空文庫
寸刻も早く轉地を、と言ふのだつたさうである。
— 泉鏡太郎 『麻を刈る』 青空文庫
が、ひょっとすると、この老紳士は自分の気持を他人の上に移して、心やりにする旧官僚風の人物にままある気質の人で、内心では案外、寸刻の間も、自分の息子の上にいたわりの眼を離さないのかも知れない。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
私があの人を売ろうとたくらんでいた寸刻以前までの暗い気持を見抜いていたのだ。
— 太宰治 『駈込み訴え』 青空文庫
十一月に入つて寸刻の余裕もない。
— 木下杢太郎 『本の装釘』 青空文庫
生来陽気であったワルトンは此の冷やかに淀んだ気配の中に住む事は寸刻も出来なかった。
— 岡本かの子 『決闘場』 青空文庫
「どうでしょう、――自分の周囲に未知の未見の人間が、何か策動していて、しかもその上に妻がもう一寸刻みに、殺されてゆくと考えては、とても我慢が出来ませんでしょう?
— コナン・ドイル 『暗号舞踏人の謎』 青空文庫
その間にも私は、寸刻も早く看守が来て、――なぜ乱暴するか――と咎めるのを待った。
— 葉山嘉樹 『牢獄の半日』 青空文庫
作例 · 標準
救急現場では寸刻を争う状況が続き、隊員たちは一瞬の油断も許されない。
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締め切りが迫り、作家は寸刻も休まずに原稿用紙に向かい続けた。
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寸刻の遅れが大きな事故につながるため、鉄道の運行管理は極めて厳格だ。
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