一場
いちじょう
名詞
標準
one time (place)
文例 · 用例
マルシャル橋や王宮橋から毎日のように眺め見下ろしたスプレーの濁り水に浮ぶ波紋を後年映画「ベルリン」の一場面で見せられたときには、往年の記憶が実になまなましく甦って来るのを感じたのであった。
— 寺田寅彦 『ベルリン大学(1909-1910)』 青空文庫
これも地獄変相絵巻の一場面である。
— 寺田寅彦 『札幌まで』 青空文庫
前の十場面は脚本で読ませておいて大切り一場面だけ見せてもいいかもしれない、とも考えられるが、それでは登場人物が劇中人物に成り切るだけの時間が足りないであろう。
— 寺田寅彦 『初冬の日記から』 青空文庫
風が吹いて桶屋が喜ぶという一場の戯談もあながち無意義な事ではない。
— 寺田寅彦 『方則について』 青空文庫
従ってここでいうところのチューインガム亡国論も畢竟はただ一場の空論に過ぎないと云われても仕方がないであろうが、しかしこの些末な嗜好品の流行の事実もそう軽々には見遁すことの出来ないものではあろうと思われる。
— 寺田寅彦 『チューインガム』 青空文庫
私の隣席に居た野口米次郎氏が、立つて一場の所感を演説された。
— 萩原朔太郎 『中央亭騷動事件(實録)』 青空文庫
最後の室生君の一場は、昔の粗野な書生的友情が囘想されて、取りわけ私にはなつかしかつた。
— 萩原朔太郎 『中央亭騷動事件(實録)』 青空文庫
それはとにかく、このヘリオトロープの信号は少なくも映画や探偵小説の一場面としてはこれも一遍だけは適当であろう。
— 寺田寅彦 『異質触媒作用』 青空文庫
作例 · 標準
「人生の栄枯盛衰など、目覚めてみれば一場の夢に過ぎぬものだ。」
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彼の突然の激昂も、実は周囲を欺くための一場の芝居であった。
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旅先で出会った老人と一場の清談を交わし、心が洗われる思いがした。
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「あの時の騒動も、今となっては一場の笑い話ですよ」
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