久離
きゅうり
名詞頻度ランク #17730 · 青空 30 例
標準
removal of dissolute sons from the family register (Edo period)
文例 · 用例
世間への義理や家内への示しのため、親類会議の真中へ一人息子を呼び出して、「久離切っての勘当」 を云い渡す親達の怒った眼と正反対に涙ぐましい鼻の表現――そこにすっかり現われている千万無量の胸のうちは、その座にいる人々をして道理至極とうなずかせずには措きません。
— 夢野久作 『鼻の表現』 青空文庫
「釜の下の灰まで自分のもんや思たら大間違いやぞ、久離切っての勘当……」を申し渡した父親の頑固は死んだ母親もかねがね泣かされて来たくらいゆえ、いったんは家を出なければ収まりがつかなかった。
— 織田作之助 『夫婦善哉』 青空文庫
たとひ肉体の上では別々になつてゐても一人の子供を、子を棄てる藪はあつても身を棄てる藪はないと言つて妻に逃げ出されて後は、ひとり冷たい石を抱くやうにして育つて行つてゐる子供を中にして、真先に思はれるものは、私の妻として、現在同棲の女でなく、初恋の雪子でもなく、久離切つて切れない静子であるのだから。
— 嘉村礒多 『途上』 青空文庫
果ては、久離きられた身となつて、其頃の大阪人には、考へるも恐しい、僻地となつてゐた熊野の奥へ、縁あつて、落ちて行つたさうである。
— 折口信夫 『古代研究 追ひ書き』 青空文庫
これは、賭博遊が好きで久離切られ、三河町で器用から思ひついた、細工物をして居ります。
— 酒屋火事 『錢形平次捕物控』 青空文庫
しかし、一旦久離切った倅の三之助を、死際にこっちから呼び戻すというのも、昔気質の三右衛門には出来ず、番頭も甥も、出入りの者も気が付かないのか、気が付いても、わざと知らん顔をするのか、口を噤んで、そのことには触れてくれませんから、病身の三右衛門には、どうすることも出来なかったのでした。
— 朱塗の筐 『銭形平次捕物控』 青空文庫
旗本の次男に生れて、身分も相当、腕も智恵も人の三倍も出来た男ですが、賢こさに身を破って、親許は久離切られ、日頃の如才無さが作った道場の友達を漁っては、斯う悪智恵の切り売りをして、食わして貰って歩く厄介者だったのです。
— 第八夜 蛇使いの娘 『新奇談クラブ』 青空文庫
併し、一旦久離切つた伜の三之助を、死際に此方から呼び戻すといふのも、昔氣質の三右衞門には出來ず、番頭も甥も、出入の者も氣が付かないのか、氣が付いても、わざと知らん顏をするのか、口を噤んで、そのことには觸れてくれませんから、病身の三右衞門には、何うすることも出來なかつたのでした。
— 朱塗りの筐 『錢形平次捕物控』 青空文庫
作例 · 標準
江戸の奉行所は、不行跡な者を久離する裁定を下した。
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親は子を勘当する際、久離という形をとることがあった。
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家を継ぐ資格のない者は、久離されて本家との縁を切られた。
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ウィキペディア
久離(きゅうり・旧離)とは、江戸時代において失踪(欠落)した親族との血縁関係の断絶を宣言すること。
出典: 久離 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0