扁舟
へんしゅう
名詞
標準
skiff
文例 · 用例
食後の小憩を未醒氏渚の扁舟に棹さして湖心に出づ。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫
数十年の前まで、一葉の扁舟さへ見難かりし太平洋は、今や万国商業の湊合する一港湾となり、横浜の埠頭と桑港の金門を繋ぐ一線は、実に世界の公路となれり。
— 石川啄木 『閑天地』 青空文庫
水淺くして、扁舟膠して動かざること屡大に、岩あり、樹木あるもの、曰く沖島也。
— 大町桂月 『常磐の山水』 青空文庫
かくて七時頃、鹿島へとて、扁舟に乘れり。
— 大町桂月 『鹿島詣』 青空文庫
苗を滿載せる扁舟の、へさきには五十歳ばかりの老夫煙草をふかし、ともには菅笠着たるもの艪をあやつる。
— 大町桂月 『鹿島詣』 青空文庫
曲浦深く陸地に入ること數十町、鹽釜祠下、漁戸數十、浮世を山と海とに遮りて、魚網夕陽に晒し、扁舟蘆荻の間に浮び、八十島かけて澄む月影と共に、漁人の心もいかばかり澄みたりけむ。
— 大町桂月 『金華山』 青空文庫
明月の下、蘆花雪を吹くのほとり、願はくは、黄塵にけがれたる衣を江上の清風に振ひ、手づから巨蟹を捕へて、扁舟の巾に醉臥せむ哉。
— 大町桂月 『北總の十六島』 青空文庫
十月二十日自画像に題す鏡せばおさなくて見しおほははと見まがふばかりわれふけにけり十二月十四日余年二十六歳之時、初號千山萬水樓主人、連載社會主義評論于讀賣新聞紙上、名顯夙號千山萬水樓 夙に号して千山万水楼といふ、如今草屋似扁舟 如今草屋扁舟に似たり。
— 河上肇 『閉戸閑詠』 青空文庫
作例 · 標準
嵐の海に投げ出された彼は、奇跡的に見つけた小さな扁舟にしがみついて一命を取り留めた。
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水墨画に描かれた一葉の扁舟が、霧に包まれた川の静寂と雄大な自然の美しさを際立たせている。
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老いた漁師は夜明けと共に一隻の扁舟を漕ぎ出し、慣れた手つきで網を湖に投げ入れた。
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