私設
しせつ
名詞動詞-サ変名詞-の形容詞頻度ランク #29490 · 青空 113 例
標準
private
文例 · 用例
汽車の係員たちまでがこの白痴の少年には好意を寄せて無賃で乗車さす任意の扱いが出来たというから東北の鉄道も私設時代の明治四十年以前であろう。
— 岡本かの子 『みちのく』 青空文庫
室の照明は私設ガスタンクのガスによって、倹約と保守的な気分と面倒がりとのために電燈設備をしないでしまった。
— 寺田寅彦 『レーリー卿(Lord Rayleigh)』 青空文庫
」 ここを入って行きましょうと、同伴が言う、私設の市場の入口で、外套氏は振返って、その猪の鼻の山裾を仰いで言った。
— 泉鏡花 『古狢』 青空文庫
妾宅は当時に於て、私設の社交機関でもあつたのだ。
— 萩原朔太郎 『家庭の痛恨』 青空文庫
特に武蔵野の平野を縦横に貫通している、様々な私設線の電車に乗って、沿線の新開町を見に行くのが、不思議に物珍らしく楽しみである。
— 萩原朔太郎 『秋と漫歩』 青空文庫
江の島の橋のたもとに、新宿へ三十分、渋谷へ三十八分と、一字一字二尺平方くらいの大きさで書かれて居る私設電車の絵看板、ちらと見て、さっさと橋をわたりはじめた。
— 太宰治 『虚構の春』 青空文庫
家人がお隣りへ行って来ての話に、お隣りの御主人は名古屋のほうの私設鉄道の駅長で、月にいちど家へかえるだけである。
— 太宰治 『めくら草紙』 青空文庫
犯人を捕えると、直ぐに商会内の私設監獄にぶち込んだばかりでなく、此の事件を逆用し、独逸領事と結んでラウペパ王に迫り、賠償を取るのは勿論、更に脅迫によって勝手な税法(白人、殊に独人に有利な)に署名させるに至った。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫