苦衷
くちゅう
名詞
標準
distress
文例 · 用例
なるほど、このていたらくでは襖をとざして人目を避けなければならぬ筈であると、はじめて先生の苦衷のほどを察した。
— 太宰治 『不審庵』 青空文庫
ただ粗漏|蕪雑のまま大体を取纏めて公表を急がなければならなくなった筆者の苦衷を御諒恕の程幾重にも伏願する次第である。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
西郷隆盛が、「お互に数百年来の御鴻恩、私情に於ては忍び難きことに候へども、天下の大勢かくの如く、全く人力の及ばざるところと存じ候」 と、述懐してゐるのを見ても、当時の実情が分り、その局に当つた岩倉、大久保、西郷、木戸等の苦衷は察せらるべきである。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
家人のようすにいくばくか不快を抱いた使いの人らも、お政の苦衷には同情したものか、こころよく飲食して早そうに立ち去った。
— 伊藤左千夫 『告げ人』 青空文庫
この話はいかにも傍で見てゐたやうに筆者に話した人がある、当時の南風氏の苦衷を手にとるやうにその人は!
— 美術論・画論 『小熊秀雄全集−19−』 青空文庫
それで世間のさういふ概念をひつくり返すのには、自分は五年もそれ以上もかゝつて苦心したといつてゐたが、その場合の福田氏の苦衷はよく判るのである。
— 美術論・画論 『小熊秀雄全集−19−』 青空文庫
」女が甘えかゝらうとしたのを遮つて、もう少し苦衷を訴えて真剣にからかひたくなる。
— 牧野信一 『坂道の孤独参昧』 青空文庫
君の苦衷も察しているよ。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
作例 · 標準
彼は、長年の苦衷を乗り越えて、ついに目標を達成した。
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その絵には、画家の深い苦衷が込められているように感じた。
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彼女の顔には、言葉にできない苦衷が浮かんでいた。
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