苦境
くきょう
名詞頻度ランク #19341 · 青空 220 例
標準
difficult situation
文例 · 用例
拙い所を引ッ込めようとして、好い所まで引ッ込んぢまふやうなことも有り勝なこと、殊に文学や絵画に於てそのことは有り勝だらう……左を苦境時代のはじめに用ふ事ほんとに悲しい日を持つた人々は、その日のことが語れない。
— ――世の母びと達に捧ぐ―― 『一つの境涯』 青空文庫
僕の書いた意味は、それによって受ける反動が、お母さんを苦しめて、ますます苦境に陥れることを心配したので、今となって超然とした、はっきりした態度を持っているお母さんなら心配しません。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
西を向いても東を向いても親類縁者が有るでも無い新領地での苦境に陥っては、二人は予ての秀吉の言葉に依って、会津の蒲生氏郷とは随分の遠距離だが其の来援を乞うよりほか無かった。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
それは世上の成功者は、皆自己の意志や、智慮や、勤勉や、仁徳の力によつて自己の好結果を收め得たことを信じて居り、そして失敗者は皆自己の罪では無いが、運命の然らしめたが爲に失敗の苦境に陷つたことを歎じて居るといふ事實である。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
戰爭が苦境に陷つて、將卒の意氣卻つて旺なる如きも是である。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
どうしたらこの苦境を通り抜ける事が出来るでしょう。
— 夢野久作 『スランプ』 青空文庫
「諸君はうたがいもなく、この苦境に諸君をおとしいれたものは、このわしであると思っていられるであろう。
— 北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃 『世界怪談名作集』 青空文庫
ともあれトシの苦境に関しては、この上傍観は適はぬといふが如き奇妙に颯爽たる亢奮を覚えた。
— 牧野信一 『二日間のこと』 青空文庫