憂き
うき
連体詞名詞頻度ランク #21231 · 青空 0 例
標準
unhappy
文例 · 用例
まるで、私が自身で、そんな憂き目に逢ったかのように、私は、ひとりで苦しんでおりました。
— 太宰治 『葉桜と魔笛』 青空文庫
彼の生き方は、どんな憂き艱難をしても、野に山に、街に部落にさすらって歩くのがその性質に合う生き方なのでした。
— 岡本かの子 『慈悲』 青空文庫
嬉しいにつけても思いのたけは語りつくさず、憂き悲しいことについては勿論百分の一だも語りあわないで、二人の関係は闇の幕に這入ってしまったのである。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
此子が為、我が為、不自由あらせじ、憂き事のなかれ、少しは余裕もあれかしとて、朝は人より早く起き、夜はこの通り更けての霜に寒さを堪へて、『袖よ、今の苦労は愁らくとも、暫時の辛棒ぞしのべかし。
— 樋口一葉 『軒もる月』 青空文庫
打捨て置きては、よきものも漸く悲しき花のさまになり行けど、培ひ養ふこと怠らねば、おのづからなる美しさも一トしほ増して、おだやかなる日の光りの下に、姿ゆたけく咲き出でたる、憂き世の物としも無くめでたし。
— 幸田露伴 『花のいろ/\』 青空文庫
丙は時として荊棘の小道のかなたに広大な沃野を発見する見込みがあるが、そのかわり不幸にして底なしの泥沼に足を踏み込んだり、思わぬ陥穽にはまって憂き目を見ることもある。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
この後、童も憂き事しげき世の人となりつ、さまざまのこと彼を悩ましける。
— 国木田独歩 『詩想』 青空文庫
異郷の空に語る者もない淋しさ佗しさから気まぐれに拵えた家庭に憂き雲が立って心が騒ぐのだろう。
— 寺田寅彦 『イタリア人』 青空文庫
作例 · 標準
例句