原頭
げんとう
名詞
標準
the field
文例 · 用例
み空の花なる星、この世の星なる花、黙々として千古語らざれども、夜々|綢繆の思ひ絶えざる彷彿一味の調は、やがて絶海の孤島に謫死したる大英雄を歌ふの壮調となり五丈原頭凄惨の秋を奏でゝは人をして啾々の鬼哭に泣かしめ、時に鏗爾たる暮天の鐘に和して、劫風ともにたえざる深沈の声を作し。
— 石川啄木 『閑天地』 青空文庫
人世涙あるは原頭に水あるが如し。
— 北村透谷 『山庵雑記』 青空文庫
文士の前にある戦塲は、一局部の原野にあらず、広大なる原野なり、彼は事業を齎らし帰らんとして戦塲に赴かず、必死を期し、原頭の露となるを覚悟して家を出るなり。
— 北村透谷 『人生に相渉るとは何の謂ぞ』 青空文庫
特に逍遙氏の如きは、シヱーキスピア流の客観性詩人よりもギヨオテが代表する一派の主観性の詩人を学ぶべしなど、後進を誘掖するに到りては、今の独逸文学に酔へる青年幻想家、いかでか一鞭を揮ふて、馬を原頭に立るの勇気無らん。
— 北村透谷 『劇詩の前途如何』 青空文庫
嗚呼人よ、東海君子国の世界に誇負する所以の者は、一に鮮血を怒涛に洗ひ、死屍を戦雲原頭に曝して、汚塵濛々の中に功を奏する戦術の巧妙によるか。
— 石川啄木 『渋民村より』 青空文庫
野崎の原頭、四条畷には群像の如き三十余騎の姿が、敵軍に遠く囲まれながら茫然として立ちすくんで居る。
— 菊池寛 『四条畷の戦』 青空文庫
斯く歩くにも困難なる強風なるに、この日、青山原頭、鳥人スミス氏は飛行機の宙返りを爲したりと聞く。
— 大町桂月 『千川の櫻』 青空文庫
歓楽湧くが如き仮装の大舞踏会の幕が終ると、荒涼たる日比谷原頭悪鬼に追われる如く逃げる貴夫人の悲劇、今なら新派が人気を呼ぶフィルムのクライマックスの場面であった。
— ――新文学の曙光―― 『四十年前』 青空文庫
作例 · 標準
激しい戦いが繰り広げられた原頭には、今はただ秋風が吹き抜け、草木が茂るばかりだ。
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兵士たちは故郷の家族に思いを馳せながら、冷たい露に濡れる原頭で一夜を過ごした。
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夕陽を背にして、広い原頭を家路へと急ぐ牛の群れが見える。
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