刻下
こっか
名詞副詞
標準
the present
文例 · 用例
今電車の窓から日曜の街の人通りをのどかに見下ろしている刻下の心持はただ自分が一通りの義務を果してしまった、この間中からの仕事が一段落をつげたと云うだけの単純な満足が心の底に動いているので、過去の憂苦も行末の心配も吉野紙を距てた絵ぐらいに思われて、ただ何となく寛ろいだ心持になっている。
— 寺田寅彦 『障子の落書』 青空文庫
ともかくも、こういう大切な観測事業をその日暮しその年暮しになりやすい恐れのある官僚政治の管下から完全に救出して、もう少し安定な国家の恒久的機関を施定することが刻下の急務ではないかと思われる。
— 寺田寅彦 『新春偶語』 青空文庫
すなわち公算曲線の山が唯一なりやという事が刻下の問題なり。
— 寺田寅彦 『自然現象の予報』 青空文庫
これは、深く考えてみなければならない刻下の重大な問題である。
— 寺田寅彦 『鑢屑』 青空文庫
「断めのつくように、断めさして下さいッて、お願い申した、あの、お返事を、夜の目も寝ないで待ッてますと、前刻下すったのが、あれ……ね。
— 泉鏡花 『木精(三尺角拾遺)』 青空文庫
そんな重大な役目を他人のために勤めたとは夢にも知らない虻は、ただ自分の刻下の生活の営みに汲々として、また次の花を求めては移って行くのである。
— 寺田寅彦 『沓掛より』 青空文庫
しかしそこまで追究するのは刻下の問題ではない。
— 寺田寅彦 『一つの思考実験』 青空文庫
いまわの際に少年は、刻下無意識になった恋人に対して、為に生命を致すその報酬を求めたのではない。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
作例 · 標準
刻下、世界は大きな変化の時代を迎えている。
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刻下の課題は、地球温暖化対策にどう取り組むかだ。
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政府は刻下の状況を鑑み、緊急の対策を発表した。
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