明け渡す
あけわたす
動詞-五段-サ行動詞-他動詞
標準
to vacate
文例 · 用例
要するに、従来のいわゆる統計物理学は物理学の一方の庇を借りた寄生物であったのであるが、今ではこの店子に主家を明け渡す時節が到来しつつあるのではないか。
— 寺田寅彦 『量的と質的と統計的と』 青空文庫
日本に責任転嫁するよりも、そのほうがはるかに有益であり、ご満足を得られるのではないでしょうか」 こう辛辣、かつ率直に切り込んだ手紙を同封して議員に送られたレッド・ペーパーは、「米国はコンピューター市場を日本に明け渡すのか」との問い掛けから書きだされる。
— 富田倫生 『青空のリスタート』 青空文庫
それが他の大劇場であったならば、さのみの議論にならなかったかも知れないが、なにぶんにも歌舞伎芝居の本城という歌舞伎座であるだけに、その本城をかれらに明け渡すということは、歌舞伎芝居が書生芝居に征服されたという形にもなるので、ここにいろいろの議論を生じたわけである。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
来年登記をして、一月の終りには、家を明け渡すのさ……」「いくらに売れて?
— 林芙美子 『浮雲』 青空文庫
来て見ると、前日中に明け渡す約束なのに、先住の人々はまだ仕舞いかねて、最後の荷車に物を積んで居た。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
今度、城を明け渡すについては、和宮さまは田安の方へお移りになるから、あなたは一橋家の方へお移りなさいと言われても、容易に天璋院さまは動かなかったとありますね。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
やがて青山の家のものは母屋の全部を御用掛りに明け渡すべき時が来た。
— 第二部下 『夜明け前』 青空文庫
たとい、敵に城を明け渡すことが近いうちのことであっても、その間に出来るだけの好成績を挙げたいということのみを念頭において働くものだから仕事は目ざましく運ぶ。
— 賀川豊彦 『空中征服』 青空文庫
作例 · 標準
明け渡すの例文