留まる
とまる
動詞
標準
文例 · 用例
そこで雪は、如何なる地点に最も多く残存するかというに、前に述べた如く、余り傾斜の峻急な尖った所には住まえないから、多くは緩傾斜の崖、または谷や盆地に留まる。
— 小島烏水 『高山の雪』 青空文庫
然れども斯の如きはたゞ一部、一篇、一局部の話柄に留まるのみ。
— 泉鏡花 『愛と婚姻』 青空文庫
お妙は、扉に半身を隠して留まる。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
境内の桜の樹蔭に、静々、夫人の裳が留まると、早瀬が傍から向うを見て、「茶店があります、一休みして参りましょう。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
その杖は、野墓に立てても、蜻蛉も留まるまい。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
ボーンと飛んで、額、頸首、背、手足、殿たちの身体にボーンと留まる、それを所望じゃ。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
ちょうど、」 と宰八はちょっと立留まる。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
あれ聞け……寂寞とした一条廓の、棟瓦にも響き転げる、轍の音も留まるばかり、灘の浪を川に寄せて、千里の果も同じ水に、筑前の沖の月影を、白銀の糸で手繰ったように、星に晃めく唄の声。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫