苦界
くがい
名詞
標準
world of suffering
文例 · 用例
要するに、「いき」は「浮かみもやらぬ、流れのうき身」という「苦界」にその起原をもっている。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
それに反して、「英雄主義」が、か弱い女性、しかも「苦界」に身を沈めている女性によってまでも呼吸されているところに「いき」の特彩がある。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
ここの世界は苦界といふ、又忍土とも名づけるぢゃ。
— 宮沢賢治 『二十六夜』 青空文庫
ここの世界は苦界という、又忍土とも名づけるじゃ。
— 宮沢賢治 『二十六夜』 青空文庫
奥さんが、ごくわずかの間であったけれども、苦界というものに身を沈めていて、今年の始に新井田氏の後妻として買い上げられたのだという事実は渡瀬の心をよけい放埓にした。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
わしはそれを楽しみに苦界へ戻ろう。
— 岡本かの子 『阿難と呪術師の娘』 青空文庫
……」彩ある雲四十六 爺さんは、先刻打撲された時|怪飛んだ、泥も払わない手拭で、目を拭くと、はッと染みるので、驚いて慌しいまで引擦って、「他所目には大所の御新造さんのように見えます、その貴女が、……やっぱり苦界、いずれ苦の娑婆でござります。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
ひそかに心覺に因ると、我朝にても以前から、孝行な娘が苦界に沈んで、浮川竹の流の身と成るのは、大概人參。
— 泉鏡太郎 『人參』 青空文庫
標準
life of prostitution