初生
しょせい
名詞名詞-の形容詞
標準
firstborn
文例 · 用例
そして私の座ぶとんの上へおろして、その上で人間ならば産婆のすべき初生児の操作法を行なおうとするのである。
— 寺田寅彦 『子猫』 青空文庫
『本草綱目』に、〈猿初生皆黒し、而して雌は老に至って毛色転じて黄と為る、その勢を潰し去れば、すなわち雄を転じて雌と為る、ついに黒者と交わりて孕む〉。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
シヨルマット砦建立の際一方の壁が繰返し落ちたので或る初生の兒を生埋すると最早落ちなんだといふ。
— 南方熊楠 『人柱の話』 青空文庫
君の兄上の初生児も取られていた。
— 有島武郎 『生まれいずる悩み』 青空文庫
その花の蔭の黒いジメジメした土の上に初生児の頭ぐらいの白い丸いものが見えます。
— 夢野久作 『卵』 青空文庫
初生児の意識の如きは明暗の別すら、さだかならざる混沌たる統一であろう。
— 西田幾多郎 『善の研究』 青空文庫
金策に出でてひねもす歸らざる老父を思ひつつ夜の戸とざす柿の實の初生り賣りて得し金を神にそなへて額づくわが老父わがのぼる脚榻に昨夜の霜おけり高き小枝に柿の實ちぎる柿の實は乏しくなれり柿の落葉あつめて今宵火を焚きにけり ほか二首であつた。
— 島木健作 『續生活の探求』 青空文庫
本常陸国の農家の子で、地方に初生児を窒息させて殺す陋習があったために、まさに害せられんとして僅に免れたのだそうである。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫