薄皮
うすかわ
名詞名詞-の形容詞
標準
thin skin
文例 · 用例
)こうした文学論が如何に浅薄皮相であり、特に詩に関して邪説であるかは、ここで論ずべき限りでないが、とにかくにも子規一派は、この文学的イデオロギーによって蕪村を批判し、かつそれによって鑑賞したため、自然蕪村の本質が、彼らのいわゆる写生主義の規範的俳人と目されたのである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
一たいが、小づくりで、薄皮膚の色の白いやはらかに素直な毛をそつとわけて声もほそぼそと、歴史といふ遠い昔の夢をロマンチツクにおどおどと語る――ただ、すこしほんのすこしではあるけれども、見栄坊に気どつて年頃の女生徒への多少の対感意識はあつたやうでした。
— 岡本かの子 『ある男の死』 青空文庫
白樺の薄皮が、隣りの牧夫によって戯むれに剥がれた時、君はその緑色の冷たい靱皮の上に、繃帯をしてやるだらう。
— 宮沢賢治 『〔蒼冷と純黒〕』 青空文庫
そして僕は、實に慨然として嘆息し、過去一切に亙る自分の芥川觀が、殆んど淺薄皮相の邪解にすぎなかつたことを發見した。
— 萩原朔太郎 『芥川龍之介の追憶』 青空文庫
」九「およそ人間が滅びるのは、地球の薄皮が破れて空から火が降るのでもなければ、大海が押被さるのでもない、飛騨国の樹林が蛭になるのが最初で、しまいには皆血と泥の中に筋の黒い虫が泳ぐ、それが代がわりの世界であろうと、ぼんやり。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
そしてそれが消え失せるまで、前の苦悩に引代え魂も融けるような恍惚が全身の皮膚の薄皮の下まで匍い廻り、そのうれしさ、晴々しさ、私は涙のさんさんと落ちるに任せていたことである。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
姉は、薄皮の瓜実顔に眉が濃く迫っている美人で、涙っぽい膨れ目は艶ではあるが、どんな笑い顔をも泣き笑いの表情にして、それで平生は無難なまとまった顔立ちでも単純だった。
— 岡本かの子 『呼ばれし乙女』 青空文庫
箸を取ると、その重った茄子が、あの、薄皮の腹のあたりで、グッ、グッ。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
作例 · 標準
例句