薄膜
うすまく異読 はくまく
名詞名詞-の形容詞頻度ランク #35384 · 青空 40 例
標準
thin film
文例 · 用例
しかしその物体から来るものは今日の光線でも光波でもなくて「像」(image)と名づける薄膜状の物質である。
— 寺田寅彦 『ルクレチウスと科学』 青空文庫
表面の粗なる物体にこの「像」が衝突した場合には、この薄膜の像が破れてしまうから、映像を生じないという説明や、また遠方の物体が不鮮明に見えるのは長く、空中を飛行する間に無数の衝突を受けて、像のとがった角が次第につぶれてしまうからであるという光の拡乱の説明は、やや近代的なものを含んでいる。
— 寺田寅彦 『ルクレチウスと科学』 青空文庫
近年のいわゆる「表面化学」の発達によって次第に明らかになって来たとおり、固体ことにガラスや陶器などの表面にはガスのみならずある種類の液体や固体の薄膜を頑固に付着せしめる性質がある。
— 寺田寅彦 『日常身辺の物理的諸問題』 青空文庫
それを見ても通例女の虚栄心というものは、人間のあらゆる本質的欲求の団塊の、ほんの表面の薄膜に生ずる黴ぐらいのもののように取り扱われているようであるが、はたしてそんなものだろうか。
— 寺田寅彦 『丸善と三越』 青空文庫
この綿打ち作業は一度も見たことはないが、話に聞いたところでは、鯨の筋を張った弓の弦で綿の小団塊を根気よくたたいてたたきほごしてその繊維を一度空中に飛散させ、それを沈積させて薄膜状としたのを、巻き紙を巻くように巻いて円筒状とするのだそうである。
— 寺田寅彦 『糸車』 青空文庫
それほど一般的な議論をするまでもなく、あらゆる生物の生活現象は、生物を構成するコロイドの粒子や薄膜の境界において行なわれる物理的化学的現象ときわめて密接な関係があるということは現在では周知の事実である。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
輝く蒼空をいま漉き出すように頭上の薄膜の雲は見る見る剥れつつあった。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
とその埃りっぽい薄膜の耳がポロリと落ちる。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
作例 · 標準
例句