史籍
しせき
名詞
標準
historical works
文例 · 用例
天變を重大視した古の史籍に見ゆる記事や、野蠻人をして初めて鐡の用を知らしめた西大陸の事實や、禪僧をして詩を賦せしめた落星灣の口碑、凡そ此等の事の載籍に見ゆるものは少くないにしても、實際は何程多かつたことか知れぬ。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
この一話、操觚者流の寓意譚にあらず、永く西欧の史籍に載りて人の能く伝唱する所、唯これ一片の逸話に過ぎずと雖ども、然も吾人に誨ふる事甚だ深しとなす。
— 石川啄木 『閑天地』 青空文庫
例せば一箇人に伝記あると均しく、一国に史籍あり。
— 南方熊楠 『神社合祀に関する意見』 青空文庫
さて一箇人の幼少の事歴、自分や他人の記憶や控帳に存せざることも、幼少の時用いし玩具や貰った贈り物や育った家の構造や参詣せし寺社や祭典を見れば、多少自分幼少の事歴を明らめ得るごとく、地方ごとに史籍に載らざる固有の風俗、俚謡、児戯、笑譚、祭儀、伝説等あり。
— 南方熊楠 『神社合祀に関する意見』 青空文庫
かく書かせて元の所へ置かせられた(改定史籍集覧本『丹州三家物語』七三頁)、三国|鼎争の最中や戦国わずかに一統された際の人間は、百姓までも荒々しいと同時に気骨あり、こんな落書をしたので、それを直様自ら返辞した大守もえらい。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
中堀僖庵の萩の栞(天明四年再版)上の十一張裏に「いけこめの御陵とは大和國藥師(寺か)の後にあり、何れの御時にか釆女御門の御別れを歎き生ながら籠りたる也」是は垂仁帝の世に土偶を以て人に代へ殉葬を止められたに拘らず、後代までも稀れに自ら進んで生埋にされた者が有つたのが史籍に洩れて傳説に存したと見える。
— 南方熊楠 『人柱の話』 青空文庫
正当なる歴史を標榜する史籍さえ往々|不穿鑿なる史実を伝えて毫も怪しまない時代であるから、ましてや稗官野乗がいい加減な出鱈目を列べるのも少しも不思議はない。
— 内田魯庵 『八犬伝談余』 青空文庫
午後土蔵から『史籍集覧』の本箱を二階へもち出して貰う、全くガタガタになっている。
— 一九四三年(昭和十八年) 『日記』 青空文庫