愛執
あいしゅう
名詞
標準
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文例 · 用例
怒りも絶望も、愛執も離愁も一つに籠めて。
— 岡本かの子 『窓』 青空文庫
「青山愛執の色に塗られ、」「緑水、非怨の糸を永く曳く」などという古人の詩を見ても人間現象の姿を、むしろ現象界で確捕出来ず所詮、自然悠久の姿に於て見ようとする激しい意慾の果の作略を証拠立てている。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
夫が物事に偏愛執着の気振りを見せると妻は傍から引離した。
— 岡本かの子 『小町の芍薬』 青空文庫
そこで、或人は動物と同一なる低級約束たる淫欲を辭し、或人は食味の嗜欲を辭し、或人は耳目の娯樂を辭し、或人は瞋恚爭鬪を辭し、或人は愚癡愛執を辭し、或人は身命を愛するの大慾をも辭して居る。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
愛執に依って蛇となったは、『沙石集』七に、ある人の娘鎌倉若宮僧坊の児を恋い、死んで児を悩死せしめ、蛇となって児の尸を纏うた譚あり。
— 蛇に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
この青き愁の室にさしよりて透見をすれば、ぐらす戸の緑のあなた、月を浴び、玻璃に覆はれ、生ひ繁る葉もの、花もの、夢の如く、不動に立ちて宵よひは、忘我の影を愛執の薔薇におとす。
— 上田敏 『牧羊神』 青空文庫
しかし無反省な愛執に目を蔽われた庸三にも、この怖じ気もない葉子の悪戯には、目を蔽っているわけには行かなかった。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
嫌悪と愛執との交錯した、悲痛な思いに引き摺られていた。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
作例 · 標準
長年費やした作品への愛執から、彼は決して手放そうとはしなかった。
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過去の栄光への愛執が、彼の新たな挑戦を妨げていた。
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我が子への愛執が強すぎるあまり、母親は子供の自立を阻んでしまった。
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稀少な古書への愛執が深く、彼は財産を投げ打ってでもそれを手に入れようとした。
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