遺珠
いしゅ
名詞
標準
unknown literary masterpiece
文例 · 用例
『多紀氏の事蹟』もまた昭和八年に出版せられましたが、その年の暮にはまた於菟さんと共に、『鴎外遺珠と思ひ出』という書物を公にしました。
— 小金井喜美子 『鴎外の思い出』 青空文庫
ついで昭和四年に『鴎外全集』の普及版が計画せられて、潤三郎は編輯校正に当りましたが、その後も遺文は続々発見せられますので、それに遺族の思い出をも加えて一冊にしたのが『鴎外遺珠と思ひ出』です。
— 小金井喜美子 『鴎外の思い出』 青空文庫
余|展ベテコレヲ観ルニ一集ノ中、各体具備シ光彩|爛然トシテ殆遺珠ナシ。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫
わたくしといへども、『鴎外遺珠と思ひ出』を読んではじめて、へえ、かういふものがあつたのかと驚いたのである。
— 久保田万太郎 『「引札」のはなし』 青空文庫
…… なほ『鴎外遺珠と思ひ出』の編輯後記に、「天然自笑軒は俳人岡野知十氏の創められたもの」 としてあるが、わたくしの聞いた限りでは、このうち、もと兜町で商売をしてゐた宮崎さんといふ人が「間居のつれづれ洒落半分に思ひ立」つてはじめたうちとなつてゐる。
— 久保田万太郎 『「引札」のはなし』 青空文庫
このはうは有名で、さういふ珍しいものがあるとはまへから聞いてゐたが、矢つ張『鴎外遺珠と思ひ出』によつてその全文をわたくしは知ることをえた。
— 久保田万太郎 『「引札」のはなし』 青空文庫
楠正位氏なども、従来の武蔵研究の材料の大半は九州地方からのみ出たものであって、武蔵が後に特別な愛寵をうけた本多家などからは、武蔵の門人もあったのに何らの材料もまだ出ていないし、黒田、小笠原、有馬などの書庫も未開なので、そこらを捜せばまだ蒼海の遺珠があるだろうといっている。
— 吉川英治 『随筆 宮本武蔵』 青空文庫
「この人は冬になると、いつも黄色いしゅすの外套を着ていましたが、それはきまって新しいものでした。
— BILLEDBOG UDEN BILLEDER 『絵のない絵本』 青空文庫
作例 · 標準
長い間書庫の片隅に眠っていたその小説は、まさに近代文学の遺珠と言えるだろう。
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「この作家の初期の短編集は、世間にはあまり知られていないが、私は彼の遺珠だと信じている。」
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新発見された無名の劇作家の戯曲は、演劇史における遺珠として注目を集めている。
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彼の評論集は、難解ゆえに読者が少なかったが、その鋭い洞察力はまさに思想界の遺珠だった。
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