邪念
じゃねん
名詞
標準
wicked thought
文例 · 用例
着物が満足に縫えなくては女|一人前として嫁にゆかれません」 この頃僕に一点の邪念が無かったは勿論であれど、民子の方にも、いやな考えなどは少しも無かったに相違ない。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
この日初めて民子を女として思ったのが、僕に邪念の萌芽ありし何よりの証拠じゃ。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
その飽くまでも靈の世界の永遠を信ずるの強きに於て、また絶え間なき祈祷と瞑想によつて精神生活を充實せしめ、怠りなき勞働によつて肉體を鞭打ちつつ妄執と欲望と邪念から解脱せんとする努力に於て、私は尊ぶべきものあるを思ふことが出來る。
— 南部修太郎 『修道院の秋』 青空文庫
その神祕な幽遠の靜けさは恐らくあらゆる人の心の妄執も邪念も打ち滅ぼして行くに違ひない。
— 南部修太郎 『修道院の秋』 青空文庫
ああまた引き去り高まり來る情慾の浪、意志の浪、邪念の浪。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
その一言には微塵も邪念がなく、ただぼんやりおつしやつただけの言葉のやうでありながらも、末座の私どもまで、なぜだか、どきんとしたほどに、無限に深い底意が感ぜられ、将軍家に於いてもその一言のために、くるりとお考へが変つた御様子で、幽かにお首を横にお振りになつてしまひました。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
抽斗にしまって封をすれば、仏様の情を仇の女の邪念で、蛇、蛭に、のびちぢみ、ちぎれて、蜘蛛になるかも知れない。
— 泉鏡花 『神鷺之巻』 青空文庫
高潔崇高なる詩人哲学者は悉く、戦争の邪念を悪む、而して英雄中の英雄なる基督に至りては堅く万民の相戦ふを禁じたり。
— 北村透谷 『想断々(1)』 青空文庫
作例 · 標準
座禅を組んで心を無にしようとしたが、どうしても邪念が入り込んでしまう。
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彼は邪念を振り払うように、激しく頭を振って作業を再開した。
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邪念を捨てて試合に挑まなければ、本来の力は発揮できないだろう。
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