季題
きだい
名詞
標準
seasonal word (in haiku)
文例 · 用例
この句もやはり、そうした主観的郷愁の一咏嘆であるが、特に心の詩情を動かしやすく、ロマンチックで夢見がちな初夏の季節を、更衣の季題で捉えたところに、句の表現的意義が存するのである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
例えば藪入やよそ目ながらの愛宕山藪入のまたいで過ぬ凧の糸 など、すべて同じ情趣を歌った佳句であるが、特にその新体風の長詩「春風馬堤曲」の如きは、藪入の季題に托して彼の侘しい子守唄であるところの、遠い時間への懐古的郷愁を咏嘆している。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
この頃では、もうラムネが古風なものになり、俳句の風流な季題にさへもなつてしまつた。
— 萩原朔太郎 『ラムネ・他四編』 青空文庫
俳句の季題と称するものは俳諧の父なる連歌を通して歴史的にその来歴を追究して行くと枕草子や源氏物語から万葉の昔にまでもさかのぼることができるものが多数にあるようである。
— 寺田寅彦 『日本人の自然観』 青空文庫
私のいわゆる全機的世界の諸断面の具象性を決定するに必要な座標としての時の指定と同時にまた空間の標示として役立つものがこのいわゆる季題であると思われる。
— 寺田寅彦 『日本人の自然観』 青空文庫
もちろん短歌の中には無季題のものも決して少なくはないのであるが、一首一首として見ないで、一人の作者の制作全体を通じて一つの連作として見るときには、やはり日本人特有の季題感が至るところに横溢していることが認められるであろうと思われる。
— 寺田寅彦 『日本人の自然観』 青空文庫
統計を取ってみたわけではないが、試みに枕詞の語彙を点検してみると、それ自身が天然の景物を意味するような言葉が非常に多く、中にはいわゆる季題となるものも決して少なくない。
— 寺田寅彦 『日本人の自然観』 青空文庫
また季題なしの新俳句を製造しようとするような運動がいかに人工的なものであるかを悟ることができるであろうと思われる。
— 寺田寅彦 『日本人の自然観』 青空文庫
作例 · 標準
「先生、この句の『ひだまり』は冬の季題になりますか?」「いや、それは季節を特定しない言葉だよ」
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秋の夜長、歳時記を片手に次回の句会の季題について思いを巡らせるのが、私の密かな楽しみだ。
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句集をまとめるにあたり、それぞれの句が季題の持つ本質的な情景を捉えているか、入念に確認した。
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標準
seasonal topic (in haiku)
作例 · 標準
「おっと、今の季節に『梅』を季題に選ぶのは、少しばかり早すぎやしませんかね?」
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吟行会(ぎんこうかい)の当日、配られた季題は「春の雷」という、初心者には少し難しいものだった。
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「ねえ、この『扇』っていう季題、夏の涼しげな感じがよく出ていて素敵じゃない?」
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