仮有
けう
名詞
標準
temporary existence
文例 · 用例
仏教では、存在しているものを「有」といっていますが、すべて「仮有」です。
— 高神覚昇 『般若心経講義』 青空文庫
さもまがつびのすがたして、 あまりにくらきいろなれば、朝焼けうつすいちいちの、 窓はむなしくとざされつ。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 一百篇』 青空文庫
この事には疑いもないが、その結果として数学にかからない自然現象は見て見ぬふりをしたり、無理に数学にかけうるように自然をねじ曲げるような傾向を生じてくる。
— 寺田寅彦 『数学と語学』 青空文庫
しかしなんといっても、あらゆる言語のうちで、数学の言語のように、一度つかまえた糸口をどこまでもどこまでも離さないで思考の筋道を続けうる言語はない。
— 寺田寅彦 『数学と語学』 青空文庫
遠方は雨雲に閉されて能くも見え分かず、最近に立つて居る柏の高さ三丈ばかりなるが、其太い葉を雨に打たれ風に揺られて、けうとき音を立てゝ居る。
— 國木田独歩 『空知川の岸辺』 青空文庫
人間を愛したいと思う希望だけは充分にもっていながら、あさはかな「私」にさえぎられてそれができないで苦しんでいるわれわれが、小動物に対してはじめて純粋な愛情を傾けうるのは、これも畢竟はわれわれのわがままの一つの現われであろう。
— 寺田寅彦 『備忘録』 青空文庫
それを知りたいと望む多数の人の一人として私もそれから多分の示唆を受けうるであろうから。
— 有島武郎 『想片』 青空文庫
徒らに正確な懸時計は遠慮なくけうとい音に時を刻んでゐた。
— 有島武郎 『實驗室』 青空文庫