希有
けう異読 きゆう
形容動詞名詞頻度ランク #32723 · 青空 72 例
標準
rare
文例 · 用例
」「もし、あなた様、希有でござります。
— 泉鏡花 『伊勢之巻』 青空文庫
さあ、居合せましたもの総立になって、床下まで覗きましたが、どれも札をつけて預りました穿物ばかり、それらしいのもござりませぬで、希有じゃと申出しますと、いや案内に立った唯今の女は、見す見す廊下をさきへ立って参ったというて、蒼くなって震えまするわ。
— 泉鏡花 『伊勢之巻』 青空文庫
その音さえ、谺するまで、高い天井、大空に科学の神あって彼を守護するごとくであるのに、かてて加えた学友が、五人の数、彼を取巻いて、あたかも迷宮の奇き灰色の柱のごとく、すくすくと居合わせたのが、希有な侵入者を見ると、一斉に伝吾に瞳を向けた。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
以前の持主、二度目のはお取次、一人も仕込んだ覺えはないから、其の人たちは無論の事、港へ出入る、國々島々のものに尋ねても、まるつきし通じない、希有な文句を歌ふんですがね、檢べて見ると、其が何なの、此の内へ來てから、はじまつたと分つたんです。
— 泉鏡太郎 『印度更紗』 青空文庫
却説、大雷の後の希有なる悲鳴を聞いた夜、客が蔀を開けようとした時の人々の顏は……年月を長く經ても眼前見るやうな、いづれも石を以て刻みなした如きものであつた。
— 泉鏡太郎 『霰ふる』 青空文庫
妙齡に至らせ給ひなば、あはれ才徳かね備はり、希有の夫人とならせ給はん。
— 泉鏡花 『妙齡』 青空文庫
般若の面の男 (希有なる顔して)禰宜様や、私らが事をおっしゃるずらか。
— 泉鏡花 『多神教』 青空文庫
と見れば正面の板床に、世に希有しき人形あり。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫