慨世
がいせい
名詞
標準
deploring the course of public events
文例 · 用例
慨世の哭、憂国の涙、二人|相持して、を以て城を撃たしむ 城壁破れんとす。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
その主なるものは、毒婦とか色魔とか悪党とか又は横着政治家(政治家でいて横着でないものはあまりありますまいが、ここでは仮りに正真正銘の憂国慨世の士と対照してかく名付けたのであります)とか名づけられる種類であります。
— 夢野久作 『鼻の表現』 青空文庫
そこで坊さん・社会教育家・職業的慨世家――これはどこにでもある――がしじゅう何だかんだと喧しく言うんだけれど、これらの邪悪のかげには「史的に約束された一つの大きな手」が動いてるので、目下急にはどうすることも出来ない形だ。
— しっぷ・あほうい! 『踊る地平線』 青空文庫
「慨世憂国の士をもって発狂の人となす、豈に悲しからずや」とは父がその木小屋に遺した絶筆であったという。
— 島崎藤村 『新生』 青空文庫
傑作中の哀悼、戀愛、慨世、憂國等の如く小利害を脱したるものなりといへり。
— 森鴎外 『柵草紙の山房論文』 青空文庫
哀悼、戀愛、慨世、憂國等の詩人の傑作中にあらはるゝは審美感なり。
— 森鴎外 『柵草紙の山房論文』 青空文庫
世界観あり、哲学あり、宗教観あり、文芸批評あり、時評あり、慨世あり、経綸あり、論策あり、身辺雑感あり、過去の追憶あり、といった有様で、よく読んでいただけば何かの参考にはなろうかと思っております。
— 尾崎秀実 『遺書』 青空文庫
坪内氏の訳になるリットンの「開巻悲憤慨世士伝」とか、井上勤訳する処のモアの「良政府談」とか、創作では、東海散士の「佳人之奇遇」、矢野竜渓の「経国美談」等々皆然りである。
— 直木三十五 『大衆文芸作法』 青空文庫
作例 · 標準
「はあ……テレビをつければ企業の隠蔽や不祥事のニュースばかりで、全く嫌な世の中になったものだ」と、彼は慨世の思いを口にした。
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幕末の志士たちが交わした書簡には、諸外国の脅威から国の行く末を憂う激しい慨世の思いが滲み出ている。
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その小説家は、生涯を通じて強い慨世の念を抱き続け、資本主義社会の矛盾を鋭く突く作品を多く残した。
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居酒屋で慨世の士を気取って政治批判をしたところで、明日の生活が突然良くなるわけではない。
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